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2014年10月29日

ミーハの急逝を悼む

2010年7月、シベリアで毎晩キャンプしてた時のミーハ
2010年のロシア横断中ずっとつかず離れずで見守ってくれた恩人・野生児・お医者さんだったミーハと、ヴォロネジで暖かく迎えてくれたお姉さんのターニャ。私がロシア旅行で得た宝といえば、この2人との出会いに尽きます。

その後ミーハは恋人のレラと結婚し、サンクトペテルブルグで幸せに暮らしていたそうです。そして姉のターニャは、ついに念願の子宝に恵まれ、セルゲイとの間に可愛い男の子ができました。ロシアで出会った他の若いカップルにも、次々と子供ができてベビーブームです。ここ数年、東京に届くのは全てハッピーな便りばかりで、ロシアではすべてが順風満帆かに思えるものばかりでした。

突然、ミーハが火事で亡くなったと知らされるまでは。。。

その日、ミーハ達は友達と総勢6人で奥さんのレラのダーチャに出かけていたそうです。
(ダーチャというのはロシアではごく普通の菜園つき別荘で、多くは木造です。)

事件のあった時、3人はちょうど外出しており、ミーハと親友イヴァンを含む3人は2階で寝ていたそうですが、わずかな間になんらかの理由で1階から出火し、木造のダーチャは瞬く間に炎に包まれてしまったのだそうです。
2階で寝ていたうちの1人は火災に気づき、窓から飛び降りて助かったそうですが。。。
焼け跡から、ソファのあった位置に寝姿のままの2人が発見されたそうです。
眠ったまま息絶えたらしく、苦しむことはなかったと聞いています。

ミーハとともに亡くなったイヴァンは、共にサハリン出身でミーハとは12歳からの親友だったそうです。一緒に旅した親友アレクサンドルからも私あてに哀悼の連絡がありました。
なにより最愛の弟を突然の火事で失ったターニャの嘆きは想像を絶するもので、とても心中を察することはできません。。。彼女の心が癒える日は来るのでしょうか。今はまだ、誰にも分かりません。

自然を愛し、ワイルドで野生児だった裸足のミーハ。粗野でぶっきらぼうだけど、度胸のない私をいつも気にかけてくれてロシア全土を導いてくれたミーハ。チタでの彼との偶然の出会いがなければ、いち旅行者としてこれほど大勢のロシア人の友達に恵まれることは決してなかったと思います。

10月25日に故郷のサハリンで葬儀が行われたそうです。享年29歳。
あのシベリア珍道中での彼のサバイバル能力の高さを思い出すたびに信じられない気持ちでいっぱいです。こいつは絶対に殺しても死なない奴だと思っていたのに。。。
何か、私まで心に穴があいてしまったような気持ちです。

※ミーハと初めて出会った日の記事はこちら(2010.7.4)
※最後にお別れした日の記事はこちら(2010.9.6)

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