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2011年4月5日

ミツバチの羽音と地球の回転

鍼灸師の友達のお誘いでミツバチの羽音と地球の回転という映画を観に行ってきました。

瀬戸内海での原発計画に立ち向かう祝島の人々の姿と、2020年までに自然エネルギーへの転換を宣言したスウェーデンの先進的な取り組みを取材したものです。

もちろん、日本史上最悪の原発事故が現在進行中のこんな時期だから観てみようという気になった訳ですが。。。これは本当に観て良かった!自分の知らない事ばかりで非常に勉強になりました。

興味深いのは、この映画が今回の地震の直前に完成したという点です。とても偶然とは思えないようなタイミングに軽い戦慄を覚えながらも、スクリーンから目が離せませんでした。特にスウェーデンが実現してきた数々の自然エネルギー成功事例は、今の日本人にとって大きな希望に繋がる内容だと思います。

その事例のひとつですが、スウェーデン北部のオーバートオーネオ(Övertorneå)という町が紹介されています。26年前、スウェーデンで初めて持続可能な自治体になると宣言した町だそうですが、当時この町は国内で最も失業率が高く、平均収入も国内最低だったため、誰もこの町がエネルギーで自立を果たすとは考えていなかったそうです。

そんななか、彼らは市や県からの支援をあてにせず、自分達の町にある風や森や製材所などの資源を使って、お金をかけずに自立したエネルギーを生み出す工夫をしてきました。映画では、現在オーバートオーネオで稼動している風力発電が、住民の誰ひとりお金を出す事なく、全国の投資家の出資によって建設された様子が描かれています。

また、スウェーデン北部(北極圏)での暮らしに暖房は必須ですが、現在ではほとんど全ての家屋が地域暖房に切り替わり、電気や石油の使用量が劇的に減ったそうです。この地域暖房というのは街全体に70℃前後の温水を供給するシステムで、スカンジナビアの国々では一般的なものですが、その燃料は100%地元の廃材チップで安定的に賄われています。(この廃材は、以前は捨てていたものだそうです)

私がワゴンRでスウェーデンを訪れた時も、似たような光景を目にしました。それはデーゲルフォシュのローシュ夫妻を訪れた時の事でしたが、極寒の地であるにも関わらず、暖房に一切電気を使っていない事に驚きました。家には高性能の燃焼炉があり、僅かな薪をくべるだけで家中に温水が行き渡り、一日中ポカポカに過ごせる仕組みです。スウェーデン恐るべし。

映画では、他にも紹介しきれないほど様々な自然エネルギーが紹介されています。どれも机上の空論ではなく、実際にスウェーデン国内で実現しているものばかりです。しかも、彼らの電気代は却って安くなったというから驚きでした。

。。。と、外国の話ばかり書いてしまいましたが、実はこの映画の最もドラマチックな部分は、28年にも及ぶ祝島の人々の原発計画に対する明確な意思表示です。ですがネタバレはご法度ですので(^_^;)、それは是非スクリーンで、もしくは将来DVDなどを通じて観ていただければと思います。

以下に、予告編のYouTube動画を紹介します。2分程度なので、是非ご覧ください。



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