ビッグイシューっていう雑誌が好きで、創刊号の頃から知ってます。
ずっとフォローしてるわけじゃないけど、たまーに駅前で販売員さんを見かけるとつい買っちゃうんですよね。
第182号の特集は「ナショナル・トラスト法を提案する」で、何のこっちゃ?と思って読んだら面白かった。
ナショナルトラスト運動というのは、ひらたくいうと、乱開発から自然を保護するために、市民や団体が土地を買い上げて自然状態を回復・維持することです。
イギリスが発祥の地で、現在は日本でも少なからずトラスト地があるらしい。そのほんの一部が今回の特集で紹介されていたのだけど、ほんの3例にもかかわらず、思いのほか多種多様な生態系が(行政ではなく)市民の手によって守られて来たんだなぁと、ちょっとびっくりしました。
言うまでもなく、利益に対する人間の欲がある限り、森林の伐採や河川の埋め立ては際限なく続くでしょう。企業にしてみれば、経済的な利益を追い求めるのは当然の姿勢ですし、私達の価値観もそれでOKだという事になってます。
だけどトラスト運動の面白いのは、目先の金銭的な利益を良しとするのではなく、多様性のある生態系を残すことによる利益のほうに価値があると考えるところです。利益は利益だけど、お金じゃない。これからの時代、スタンダードになりつつある新しい価値観じゃないかな~。
お隣の韓国ではさらに進んでいて、2000年に国がナショナル・トラスト法を制定したとのこと。この分野では日本はまだまだ遅れていて、今の日本の法律だと、トラスト地にまで取得税や固定資産税がかかってくるらしい。
トラスト地なんて収入源にはほど遠い存在なのに、そこに税金がかかるなんて。
そして日本では国が強制的に土地収用できるため、高尾山のトラスト地はトンネル工事の対象になってしまった。。。。って、近所の話なのに全然知らなかった。
この記事で個人的に興味をひいたのが、静岡県の柿田川湧水群のトラスト運動。国道一号線のすぐ隣にあって、ツーリングの帰り道なんかに、よく柿田川湧水の公園で一休みしたのを思い出しました。これがまた、すごーくキレイな湧き水なんですよ。
そうかぁ、あの素晴らしい湧水も開発で消え去っていたかも知れないのに、市民活動で守られてきたから今の形で残ってるんですね。感謝しないと。
そんなわけで、私もナショナル・トラスト法に一票!