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2012年5月23日

ロシア横断の安全対策

今年、これからロシア横断に向けて出発される方もいらっしゃると思うので、注意喚起です。
5月22日、シベリアをツーリング中の日本人ライダーがチタ~ウラン・ウデ間のヒロク周辺(地図はこちら)で刺殺されるという事件がありました。(記事1/記事2)
詳しいことは分かりませんが、どうも幹線道路沿いでキャンプしていた所を何者かに襲われたようです。

私個人の感想としては、ロシアは素朴で暖かい人が多く、決して危険だとは思いません。だけど、日本と同じレベルの治安を前提にして旅行するのはお勧めしないです。

野宿するなら絶対に幹線道路から見えない所まで行かなくちゃダメだ
はだしのミーハに口酸っぱくそう言われ、舗装路から逸れてボコボコのダートや草むらの中を毎日のように運転させられた記憶があります。これがなかなか悪路で大変なのですが、安全にはかえられません。
肝心なことは、ミーハのような野生児でさえ、キャンプするときは周囲を警戒していたという事です。

ミーハが去ったあとは一度もキャンプしていませんが、私なりに車中泊でロシアを安全にドライブするコツのようなものを、以前こちらの記事にまとめました。ですが、できればライダーさんにも知っておいて貰いたいので、もう一度まとめます。



■ロシアでイチオシの宿泊場所
ロシアの道端にはカフェ(кафе)という看板を出している食堂がたくさんあります。大きなカフェだと、ガスティーニッツァ(гостиница)と呼ばれる安宿を併設しています。幹線道路沿いでしたら一泊500Rub~(約1500円~)で、シャワーも浴びられたりしますから、予算の許す限り積極的に利用してください。

さらに、カフェにはスタヤンカ(стоянка)と呼ばれる安全な駐車場が併設されてるものも多数あります。夕暮れになると、そこで車中泊するトレーラーがひしめいているのが見えるので、簡単に見つかります。これは壁で囲まれた24時間ガードマン付きの超安全な駐車場で、利用料金は70Rub前後(約200~300円)と激安です。車中泊の人も、テント泊の人も、どんなにお金がなくても安全のため最低限スタヤンカに泊まって欲しいと思います。

■なければ、とにかく人のいる場所へ
カフェが小さすぎて、ガスチーニッツァもスタヤンカも併設されてない!という場合は、カフェで食事をしたあと、敷地内の駐車スペース等で寝ても良いか聞いてみてください(身振りで)。相手にもよりますが、たぶんOKしてくれると思います(ダメなら次のカフェを探せば良い)。スタヤンカのように24時間ガードがいるわけではないのでセキュリティは劣りますが、無人になることはないのでまだ安心です。

運悪くカフェが見つからない場合は、GSの駐車スペースに泊まらせて貰うという手があります。もちろん満タンに給油したあとで、笑顔で交渉してください。他の客の邪魔にならない場所で車中泊・テント設営する分には許してくれると思います。ですが、こちらもセキュリティは劣りますのでGS泊は常套手段にしないでください。(というかGS泊は落ち着かないです)

■困ったら長距離トレーラーに助けを
もし夜中にバイクが故障したなどの理由で立ち往生した場合は、その場でビバークしたりせずに、長距離トレーラーの運転手に助けを求めるのがロシア流らしい。ヒッチハイカーのミーハはトレーラーの運転手の話をよく知っていて、こんな事を言っていました。

「もし万一、幹線道路で何か困ったことになったら、迷わず長距離トレーラーに助けを求めるんだ。ロシアの長距離ドライバーはとても勇敢で皆から尊敬されてる。誇り高い連中だから困ってる人を見捨てたりはしないし、仲間同士の結束も強い。」

。。。幸い、青山は道中で長距離ドライバーのお世話になった事はありませんが、このアドバイスは覚えていて損はないと思います。

■草原でのビバークは最後の手段
ロシア横断中の野営は、ミーハのような心強い相棒でもいない限り、極力控えてほしいです(現に私もミーハが去ってからは一度も野営していません)。
何か事情があってビバークを余儀なくされた場合は、幹線道路から全く見えない場所を探すというルールを必ず守ってください。ただし、人目の届かない場所は襲われにくい反面、万一犯罪に遭った場合は助けを呼びづらい場所でもあるので、諸刃の剣だという事を承知しておいてください。

※2013追記:真偽は分かりませんが、ロシアはスナッフ動画の多産地だという噂を聞きました。もし本当なら恐ろしいことで、狂気の輩が野営中のテントを狙っている可能性もあり得ます。キャンプ中心でロシア横断しようと考えているライダーさんから問い合わせを頂くことがありますが、初訪問やソロツーリングの人には絶対に野営キャンプはお勧めしません。わずかな金額で安全なスタヤンカにテントを張らせて貰えるのですから、そこを節約すべきではないと思います。

なお、キャンプ可能な場所があるとすれば、先客で既に賑わっているような観光エリアです。例えばバイカル湖周辺、アルタイ山中などでは、ちょっとした草原でキャンプを楽しんでいる家族連れが大勢いたりする場所があります。そういう所でロシア人キャンパーに便乗して一緒にテントを張るなら比較的安全といえます。


ロシアでミーハから教わった事は以上です。
バイクで行く人も、クルマで行く人も、ロシアには「カフェ」「ガスティーニッツァ」「スタヤンカ」という強い味方が無数にありますので、上手に利用して安全な旅を楽しんでください。


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