ですが原子力発電のようなえらく複雑で高度な技術を要するものが、1930年代からわずか20数年で実用化された経緯を考えると、人類の科学技術の進歩も捨てたものではないと思えるのです。
。。。というワケで今から20年後には、今まで我々が想像もしていなかったようなモノがエネルギーの主流の座を置き換える可能性があったとしても不思議はありません。1930年代に、原子力発電の時代が来ると想像した人がいなかったように。
しかし現時点で自然エネルギーというと、風力発電とかソーラー発電の話が多く「発電効率も悪いし、コスト高だし、場所食うし、お天気まかせじゃん」って感じの結論になるのがお決まりのパターンで、なんだかな~って思ってました。
もしかすると自分は、すでに見たことがあるようなモノしか想像できてないのでは。。。実際にはもっと幅広い選択肢があるのに、見たことも聞いたことも無いという理由でイマジネーションが途切れているのかも知れないなぁ、と思うきっかけになったのが、下に紹介する潮力発電の動画。
(英語のままですが、CGなどを使った解説で視覚的に分かりやすい内容です。時間は6分ほど)
要するにアメリカのハドソン川底に発電タービンを設置して、かなり巨大な複合施設の発電をまかなっているという話です。船舶の安全のため、水面にはブイのような標識が設けられています。また、タービンのプロペラが回る速度は非常にゆっくりなので、魚が巻き込まれて犠牲になる危険もないとのこと。
なぜこれがニュースになったかというと、実用的な発電装置として稼動を開始したからです。しかも、この動画が投稿されたのは2008年1月。もう3年以上も前にこんな事やってる人たちがいたんですね。ちなみに、日本でもノヴァエネルギー(動画あり)という会社が海洋での潮流発電を手がけているそうです。
しかもエネルギー変換効率は20~45%と比較的高いそうですし、風力やソーラーみたいに天候に影響されずに安定した発電を得られるのも素敵です。さらに日本は海に囲まれているので、大規模に設置できるスペースがない!という問題も解決できそう。風力発電みたいにプロペラの回転音で付近の住民が困ることもないですね。
↑大規模な潮力発電所のイメージ画像。割とシンプルで素人目にも分かりやすい構造です。
一度これを見てしまうと、あまりの単純さに目からウロコというか、どうして今まで日本にこういう発想がなかったのかが逆に不思議。
別に黒潮みたいな大規模の潮流でなくとも、身近な潮の満ち干きだって立派なエネルギー源になりそう。海面より上に多数の構造物が突き出ているのがイヤなら(船舶の航行に支障?)、ハドソン川の事例のように、水面下に発電機を沈めてしまうという方法もあるわけで、素人でもつい想像力が膨らんでしまう所がなんかイイ。メンテナンスがちょっと大変そうですが、ダイバーが潜れる程度の水深ならアリかな?
よく考えたら、地球に月という存在があったお陰で、永久にタダで使える潮力の恵みが約束されているなんて凄い事だなぁと。実現にあたっていろいろハードルは高いかも知れませんが、無尽蔵とも言える海のパワーに期待です。