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2010年12月23日

グイナ滝への道のり(3)

■ これ、道って呼ばないんですけど。。。
道中地元の人々にいろいろ聞いてまわったところ、どうやらグイナ滝へ行くには分岐点があるらしい。Diamouの村から約8km地点に分かれ道があるという情報を得た我々は実際に現地に行ってみました。

うん、確かに分かれ道はあるのだが。。。看板も何も無い。。。
(N14 03.398 W11 12.964)

「ピーター、なんかこの道ムチャクチャ細いんですけど?本当にグイナ滝まで続いてると思う?」
「しかし、これしかあり得ないだろう。行ってみよう」

ワゴンRで恐る恐る、怪しい細道に入ってみると。。。最初はそれなりに走れる路面だったのですが、なんか突然行き止まり!?と思ったら、その向こうに岩だらけの登り急坂カーブが。。。
ピーター無理!私こんなの無理!」Σ(゚皿゚)
「無理じゃないさ、ローに入れて、岩をひとつずつクリアするんだ。」



泣きそうになりながら、必死でピーターの指示に従ったらなんとか越えられたけど、これは序の口でした。。。
やがて道はどんどん狭くなり、ブッシュの中の獣道のような様相に。ちょうどロバ車が通れるくらいの幅しかありません。穴ぼこや岩をよけるたびに、灌木にボディがこすれる音がします。いやーん、怖いぃー。誰じゃー!グイナ滝に行こうなんて言い出したバカはー!? (私です)



途中、ありえない急坂あり、岩だらけの難所あり、深く割れた溝あり、フカフカの砂あり。。。
あらゆるタイプの悪路の品評会みたいな感じ。しかも奥地へ行けば行くほどダメ度がアップしてゆきます。

難所にさしかかる度に、ピーターが車を降りて路面状況をチェック。(たまに邪魔な岩をどけてくれたりしつつ)。「ここの岩とあの岩にタイヤを乗せればいける」「すり鉢の底はフカフカだが、ここで加速すれば大丈夫」「長い砂地だ、勢いを殺しちゃいけない」等々、状況に応じた冷静かつ的確なアドバイスを次々に貰いました。ピーター、あなたって何者!?



「君にとっては初めての経験かも知れないが、私はこれよりもっと酷い道を幾度となく経験してきたんだ。だから不可能ではないと確信できるのさ」
- これよりもっと酷い道?どんな?
「例えばトラックの上にもう一台トラックを積んで、コンパスひとつで内陸のサハラ砂漠を突っ切ったりとか。ギアが壊れたクルマでリシャット構造まで単独走行したりとか。」
- え。。。マジで。。。(゚Д゚)



「たしかにこの悪路は本来ならワゴンRで来るような所じゃないな。だけど乗って分かったが、君のエンジンは非常に調子が良い。ショックアブソーバは文句なしの性能だし、履いているタイヤもまさにこのような岩の多い路面にピッタリのものだよ。君が選んだのかい?」
- いえ、全て東京のオフロードセンターさんにお任せでした。
「そうか、なら彼らに感謝しなくちゃね。君のクルマは、まさにこの道のために準備されたと言ってもいいと思うよ」
- この道のために。。。?

オフロードセンターの斉木さん一家の顔が頭に浮かびます。
そっか、日本からこんなに離れていても、ワゴンRの中に斉木さん達のアイデアと技術が生きてるんだ。舗装路だけ走ってる時は気付かなかったけど、実際にはこういう形で、片時も離れることなく旅行に付き添ってくれてたのかも知れない。。。

グイナ滝までもう少し。頑張らなくちゃ。

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グイナ滝への道のり(2)

■ いざ出発!しかし、当てが外れて。。。!?
という訳で、余裕ぶっこいて9時スタート。もちろん日帰りですから、テント等のキャンプ用品はぜんぶ宿(CAJ)に置いていきました。たたむの面倒くさいし。持ってった食料も、おやつ程度。

ピーターに助手席に乗ってもらい、ワゴンRを満タンにして遠足気分です。ところが。。。いざ出発してみるとカイの街を滝の方面に折れる所の道が、いきなりダートなのです。あれ?この道、舗装路のはずじゃなかったっけ?もしやガセネタ?なんだかイヤな予感がします。。。
「もっと先の方で舗装されてるかも知れない」「行ってみましょう」

あとで分かったのですが、この道は中国人が建設している真っ最中でした。行けども行けどもダートだったのですが、幅広のしまった路面で思ったより走りやすかったです。

しかし、雨季対策の水路(土管)が完成しておらず、あちこちに迂回路あり。これがまたひどい迂回路で、急坂あり、フカフカ砂地あり、看板なし。ビビりつつ走る私に、「走りやすくていい道じゃないか~」と涼しい顔のピーター。さすがベテラン、余裕だなあ。



しかし途中のDiamouの村で休憩しようと思ったら、いきなりエセガイドに絡まれピンチ!

「だんな、5000CFAでグイナの滝までバイクで案内するよ」
「すまんが、ガイドは要らんよ」

とピーターがハッキリ断っているのにバイクで先回りして我々を待ち構えるという執拗さ。
さすがの温和なピーターもこれには我慢ならなかったのか、わざわざDiamouの村役場まで出向いて村長にフランス語で直訴していました。

「おたくの村はどうなっとるのかね?国家資格を持つガイド同伴が義務だと言うなら喜んでガイドを雇うが、あの若い衆は身分証も何もナシで我々を待ち伏せし、ガイド料の支払いを強要したのだ。これが外国人に対するもてなしかね?」
「それはすまない事をした。彼には私からよく注意しておくから、どうか許してほしい」

。。。と、村長がエセガイドを諭してくれたお陰で、なんとか平和に一件落着。



すっかりビビった私は、エセガイドに絡まれた時点でかなり戦意喪失してましたが、ピーターの威厳ある態度のお陰で助かりました。

あんなしつこい奴に出会って、もし自分ひとりだったらDiamouから先へ進めたかどうか?
早まって一人で来なくて本当に良かった。。。orz

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グイナ滝への道のり(1)

■ グイナ滝に行こうと思った理由とか
たまに「何のために旅しているの」と聞かれる事があるのですが、私が西アフリカに来た最大の理由は、ここカイ(Kayes)の街から80km離れたグイナ滝を訪れることでした。そのワケは。。。



7年前のアフリカ旅行の時、カイ3月の想像を絶する暑さと悪路にビビった私は、近くまで来ておきながらグイナ滝に寄ることなく列車で華麗にスルーした経緯があります。当時はナイス判断だと思っていましたが、このような些細な事がめぐり巡って大きな失敗につながり。。。後から思うと人生の分岐点だったのかなあ、と。

要するにそれ以来、グイナ滝ニアミスの件は挫折感とともにずっと心の片隅に引っかかっていました。「いつかあの滝へ行かなきゃ」「でもアフリカ遠すぎ」「今さらもう無理」「アッチョンブリケ」等々、行かない理由はいくらでも思いついたのですが。。。
それでも心の声はかすかな声でしぶとく「滝へ」と囁き続けていました。

そんなわけで、今回ロシアからヨーロッパへ行く計画を立てたとき、やっと西アフリカを再訪する決心がついた次第です。結局のところ、チキンな青山が弱音を吐きつつもここまで辿りついた理由は、とにかく滝まで行って人生のリセットボタンを押したい一心だったように思います。

で、気がついたら再び灼熱のカイの街。しかも7年前と同じ宿。はははは、出来すぎ。

あんなに遠いと思っていたその滝が、たった80kmの至近距離にあるわけで、実に不思議な気分です。ついでに言うと、ミシュラン地図で7年前は破線(悪路)だった滝へのルートが、現在は黄色の実線(地方道)に昇格してるし。地元のマリ人もみんな「グイナ滝までは舗装路で全然問題ナシ」って言ってるし。



もし本当に滝まで舗装されたなら、7年待ったのはまんざら無意味でも無かったかも!?
ふっふっふ。楽な時代になりました。こりゃ滝まで日帰りコースだな。

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2010年12月22日

カイで休憩・ピーター合流

カイ(Kayes)に到着したその日、宿(CAJ)の外国人は私一人の貸切状態だったのですが、翌日からどんどんヨーロッパ人旅行者がやってきて、突然賑やかになりました。

最初に出会ったのはバイクに乗った若いカップルでした。イタリア人の若い女の子フェデリカと、デンマーク人の彼氏のクリスチャン。2人とも20歳と若い!なんでも元々バックパッカーだったのが、ダカールで中国製のバイクを新車で買って、ここまでタンデムで走ってきたのだとか。道理でなんかライダーっぽくない雰囲気だと思った!

だけど可愛いフェデリカは、会ったとき高熱で非常にしんどそう。クリスチャンが親身に彼女の体調を気遣って支えていました。とにかく身体がこんな調子ではバイク旅行は無理なので、彼女の熱がひくまでしばらくカイで療養するとのこと。

その次にやって来たのは、70代のオランダ人のヤープ(写真なし)。トヨタの小さな乗用車でオランダからマリまで毎年一人でドライブしているそうです。あー、ここにも変わり者のオジサンがいると思ったら、やっぱオランダ人か。。。(^_^;)

で、ちょっと問題が。後から来たヤープの車が思いっきり私のワゴンRの出口を塞いでしまい、ワゴンRが宿から出れなくなってしまったのです。これじゃ滝に行けない!!どうする私!?
たぶんヤープに言えばどけてくれたと思うんだけど、「まぁブログ原稿も溜まってることだし、しばらく書き物に専念しよう」。。。という事で、ヤープには何も言わずそのまま放置。うん、どうせグイナの滝まではたった80km。別に急ぐことはないさ。

※そんなわけで2日ほどはブログ原稿の遅れを少しでも取り戻すことに専念。ほぼ一ヶ月遅れなので、手帳と写真を見て思い出しながらノートPCを使って記事作成。朝から昼過ぎまで原稿作成や写真選定に費やし、午後の一番暑い時間にノートPCを担いで、クーラーの効いたネットカフェへ行って一気にブログ記事をアップロード。そんな事を毎日繰り返しておりました。

カイ3日目。ネットカフェで数本の記事を一気にアップする作業をしていた所、
「おおナオコだ。いたいた」と入ってきたのは。。。

「ピーター!!びっくりした~!どうやってここに!?」
「さっきタクシーでカイに着いたんだ。宿(CAJ)で君の居場所を聞いたら、クリスチャンが私をバイクに乗せてここまで連れてきてくれたのさ」
おおおありがとうクリスチャン。なんて優しい (´∀`)

道々積る話を聞いたところ、ピーターとキムはセネガル国境付近でメルセデスのリヤアクスルが壊れてえらい事になってたらしい。仕方なく車を国境まで牽引して貰った後、タクシーでサンルイまで移動したそうです。その後キムはサンルイの孤児院でボランティアを開始し、今でもセネガルに残っています。一方ピーターは壊れた車をなんとかセネガル国境で売却して(赤字だったらしい)、タクシーで2日かけてカイまできたとのこと。うわあ、いろいろ大変だったのね。

「で、我々はグイナ滝へはいつ行くんだい?道はどうなの?」
「道は舗装されてるって聞いてます。だから明日にでも日帰りで行こうかと。片道80kmだからワゴンRでも楽勝でしょう。」



で、ピーターと一緒に宿(CAJ)に戻ってみると。。。あれ?ワゴンRの出口を何日も塞いでたヤープのクルマが、いつの間にか違う所に移動してる!やー助かった。これでやっとワゴンRを運転できます。ありがとうヤープ。

まるでピーターの到着と共に道が開かれたような、不思議な気分。こんな事もあるのね。

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2010年12月19日

カイまでの道のり

ジェマでボランティアしていたある日、セネガルに到着したピーターから私の携帯にSMSが。「ナオコ元気かい?私は今サンルイ(St.Louis)に居る。青いバスが運悪く国境で壊れて参ったけど、なんとか現地で売却したので、これから長距離タクシーでマリへ行くよ。よかったらカイ(Kayes)で会って一緒にグイナ滝へ行かないか?そのあと、私はバマコで小型車を買って旅を続ける予定だ。」

おおお!達人ピーターがカイに来る!これは嬉しい。実はパムの予定が来客の予定などで埋まりつつあり、もしかしたらパム同伴は難しいかも。。。という雰囲気になってきた所だったので。もちろん滝へは私一人で行っても良かったのですが、せっかくピーターが来るなら合流しない手はありません。
子供たちのクリスマスが終わった翌朝、1週間ほどボランティアで過ごしたジェマ(Diema)を出発!パムには本当にいろいろお世話になりました。

■12/19 ジェマ~カイ(Kayes) [約280km]
ジェマからカイ(Kayes)までは約280km、数年前に立派に舗装され、今では1日で移動できる距離になりました。(しかし7年前、このルートは結構な悪路だった事で有名で、ビビリの私はもちろん選択肢から除外。カイ駅から列車にバイクを乗せて首都バマコまでワープした経緯があります。時代変わったなぁ。。。)

というわけで、この舗装路は私にとっては初めてのルート。所々に巨大なバオバブの林があって壮観です!おお~!久々に見るバオバブ!なんかアフリカ来たぞ~って感じがする!また美しい青水色の鳥が低空を飛んでいるのを何度も見かけ、まるでカイへの道のりを祝って貰っているような気分でした。



カイの街はセネガル川のほとりにあり、両岸は大きな橋で結ばれています(この橋は昔からありました)。面白いのは橋の下にもう一本、歩行者用の低い通路があることです。昔ここで子供たちが水浴びしてたのを覚えています。うん、ここだけ見ると何も変わっていないようだけど。。。

だめだコリャ。街が大きくなりすぎて全然道が分からん(゚Д゚)

頼りのガーミン様のOSM地図をもってしても、急速に拡大しつつあるカイの郊外まではフォローしきれていないようです(2010年現在)。昔カイが陸の孤島だった頃は、迷いようがないくらいシンプルな町だったんだけどなぁ。。。

ついでに言うと、ここカイは「世界で最も暑い場所」と言われ、西アフリカ全体の中でも年間平均気温が35℃~46℃というふざけた数値になっています。嘘だと思ったらミシュランマップの都市別気温データを見比べてみてください。カイだけ暑さが突出しているのが分かると思います。



そんななか、12月は年間でカイが最も涼しくなる季節なのですが、それでも3~4時ごろのピークはえらいこっちゃです。車内の気温は窓全開でも上の写真の通り。。。

■カイの宿&キャンプ場情報
久々のカイ再訪で泊まったのは、7年前と同じCentre D'accueil Jeunesseです。ロンプラにも載ってる宿です。キャンプまたは車中泊だと激安で、一泊2000CFA(約3ユーロ)。このお値段、7年前から変わってません。敷地内には自由に使える水道があり、洗濯や食器の洗い物にも便利。(時々水が止まりますが)

また、この宿はカイ駅まで歩いていける距離というのもナイスです。別に列車に用事があるわけではないのですが、駅前に小さな市場と食堂があり、買い物や食事など一通りの事は徒歩圏内で済ませられます。ただ、残念なのは一番近いネットカフェまで徒歩20分だったことかなぁ。。。毎日暑い中、ブログ更新のためPCを担いでネットカフェ通いしてました。。。うん、変態かも知れない。

Centre D'accueil Jeunesse Kayes
GPS: N14°26.095 W011°25.766
※Kayes駅まで歩ける距離で便利。木陰多く設備も更新され快適度アップ。



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2010年12月18日

子供たちのクリスマス

ジェマのVillage Venturesでのボランティアは、100名以上の子供達を迎えるクリスマスパーティの準備だったため、予想以上に忙しかったです。プレゼント用にヨーロッパから運ばれてきたおもちゃ等のの仕分けなどのほか、プロジェクトのミーティング参加など、基本的に朝から晩までパムの側に控えて休みなしのサポート体制でした。

。。。というわけで、いよいよ18日のパーティ本番の日がやってきました!!! 準備の成果やいかに!?

暑さのピークを過ぎた午後4時にパーティ開始、子供たちが続々と集まってきてサッカーの試合をはじめました。おおおみんな元気元気!広い空き地を弾丸のようにばんばん駆けまわります。あっという間に土煙に覆われるパーティ会場。なんてワイルドなクリスマスなんだ。

お次はトランポリン大会!実はこの日のために、毎日放課後にVillage Venturesに来てトランポリンの練習をしていた子供たちがいるのです。大勢の目の前でトランポリンの技を披露し、お手つきなしで最も多い回数ジャンプできた子が勝ち。みんな独創性たっぷりの飛び方で、ギャラリーからは拍手喝采でした。



他にも、子供たちが空き缶で作ったドラム(かなり本格的)を叩いて、歌ったり踊ったりのダンスパーティも。ドラムの子供たちは、みんなおそろいの白いTシャツを着て誇らしげ。それまで見ているだけだった女の子たちも、太鼓のリズムにつられて元気に踊りだしていました。このリズム感覚はアフリカならではの素晴らしさです!

そして最後はお待ちかねのクリスマスプレゼント!来た子供たち全員(100人以上)にプレゼントを配ります。パムとスタッフ全員が一生懸命用意したサンドイッチ、小袋入りのビサップと呼ばれる甘いジュースを凍らせたもの、スイカ一切れずつ、アメ玉少々、そして一番喜ばれたのが、ミニカーなど男の子用のプレゼントと、アクセサリーなど女の子用のプレゼント。

全員に無事プレゼントがいきわたり、子供たちはニッコニコ。さっそくおもちゃで遊んだり、貰ったものを自慢しあったりして興奮のるつぼに。。。



そんなこんなでVillage Venturesのクリスマスは大成功のうちに終わり、パムも満足そうでした。
準備大変だったけど、頑張った甲斐がありました!

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