■ これ、道って呼ばないんですけど。。。
道中地元の人々にいろいろ聞いてまわったところ、どうやらグイナ滝へ行くには分岐点があるらしい。Diamouの村から約8km地点に分かれ道があるという情報を得た我々は実際に現地に行ってみました。
うん、確かに分かれ道はあるのだが。。。看板も何も無い。。。
(N14 03.398 W11 12.964)
「ピーター、なんかこの道ムチャクチャ細いんですけど?本当にグイナ滝まで続いてると思う?」
「しかし、これしかあり得ないだろう。行ってみよう」
ワゴンRで恐る恐る、怪しい細道に入ってみると。。。最初はそれなりに走れる路面だったのですが、なんか突然行き止まり!?と思ったら、その向こうに岩だらけの登り急坂カーブが。。。
「ピーター無理!私こんなの無理!」Σ(゚皿゚)
「無理じゃないさ、ローに入れて、岩をひとつずつクリアするんだ。」
泣きそうになりながら、必死でピーターの指示に従ったらなんとか越えられたけど、これは序の口でした。。。
やがて道はどんどん狭くなり、ブッシュの中の獣道のような様相に。ちょうどロバ車が通れるくらいの幅しかありません。穴ぼこや岩をよけるたびに、灌木にボディがこすれる音がします。いやーん、怖いぃー。誰じゃー!グイナ滝に行こうなんて言い出したバカはー!? (私です)
途中、ありえない急坂あり、岩だらけの難所あり、深く割れた溝あり、フカフカの砂あり。。。
あらゆるタイプの悪路の品評会みたいな感じ。しかも奥地へ行けば行くほどダメ度がアップしてゆきます。
難所にさしかかる度に、ピーターが車を降りて路面状況をチェック。(たまに邪魔な岩をどけてくれたりしつつ)。「ここの岩とあの岩にタイヤを乗せればいける」「すり鉢の底はフカフカだが、ここで加速すれば大丈夫」「長い砂地だ、勢いを殺しちゃいけない」等々、状況に応じた冷静かつ的確なアドバイスを次々に貰いました。ピーター、あなたって何者!?
「君にとっては初めての経験かも知れないが、私はこれよりもっと酷い道を幾度となく経験してきたんだ。だから不可能ではないと確信できるのさ」
- これよりもっと酷い道?どんな?
「例えばトラックの上にもう一台トラックを積んで、コンパスひとつで内陸のサハラ砂漠を突っ切ったりとか。ギアが壊れたクルマでリシャット構造まで単独走行したりとか。」
- え。。。マジで。。。(゚Д゚)
「たしかにこの悪路は本来ならワゴンRで来るような所じゃないな。だけど乗って分かったが、君のエンジンは非常に調子が良い。ショックアブソーバは文句なしの性能だし、履いているタイヤもまさにこのような岩の多い路面にピッタリのものだよ。君が選んだのかい?」
- いえ、全て東京のオフロードセンターさんにお任せでした。
「そうか、なら彼らに感謝しなくちゃね。君のクルマは、まさにこの道のために準備されたと言ってもいいと思うよ」
- この道のために。。。?
オフロードセンターの斉木さん一家の顔が頭に浮かびます。
そっか、日本からこんなに離れていても、ワゴンRの中に斉木さん達のアイデアと技術が生きてるんだ。舗装路だけ走ってる時は気付かなかったけど、実際にはこういう形で、片時も離れることなく旅行に付き添ってくれてたのかも知れない。。。
グイナ滝までもう少し。頑張らなくちゃ。