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2010年9月24日

OpenStreetMapスゴイ!

「プレゼントだよ、西アフリカの地図が入ってる。君のGARMIN nuviで使ってごらん」と、ハンスから渡されたのは何の変哲もない市販のSDカード。え?西アフリカの地図ですか?

あらら、それなら既にGarmin World Mapを持ってるから心配いりませんよ。こいつはさすがGARMIN製品だけあって、道路情報はショボくてイマイチですが最低でも町や村の位置や名前は表示できるし、ナビ機能なんて全然使えませんけどロシア極東の僻地で現在地くらいは表示できたんですよ。しかも全世界をカバーしている地図データなので、紙地図と併用すれば、当然西アフリカもこれ一つで大丈夫だと思いますよ?

「いいからこのSDカードを入れて見てごらん」と促され、よく意味が分からないままに貰ったSDカードをGARMIN nuviに挿入して、とりあえず西アフリカの玄関口のタンジェ(モロッコ北部)を表示させてみました。あれ?うそ!?すごい!!!タンジェの詳細な市街地図が表示されているではありませんか!どういうこと!?

「ついでに、この地図データならナビ機能も普通に使えるよ」とハンス。ははは、まさかあ~。それはないでしょう。試しにタンジェの港から郊外までをナビって見たところ。。。。うおおおおお!!!ちゃんと最短ルートが表示される上に音声ガイドまで普通に使える!

驚きのあまり興奮している私を見て、ハンスが面白そうに笑いながら「驚いたかい?しかもこの地図はネット上に公開されていて無料で使えるんだ。こうしている間にも、世界中の人々の手によって最新情報に更新され続けているんだよ。」

■自由なウィキ世界地図、OpenStreetMap
そう言って見せてくれたのはOpenStreetMapというサイト。一見、Google Mapのように見えますが。。。その違いは、極東ロシアやアフリカ等のマイナーな地域に歴然とします。例えば、日本に近いサハリンで一番大きな町、ユジノサハリンスクをGoogle MapとOpenStreetMapで見比べてみると。。。。。


↑天下のGoogle Mapでも、ユジノサハリンスクの地図は無いに等しい状態です。(Google Mapで表示)
※2015追記:最近やっとGoogle Mapでもユジノ市街地の詳細が表示されるようになりました。良かった。


↑一方のOpenStreetMapでユジノサハリンスクを表示すると、詳細な市街地図が!!! (OpenStreetMapで表示)

さらに言うと、今回の旅行で全く地図情報が見つからなくて難儀したロシア極東のVanino~Lidogaの悪路についても、OpenStreetMapならこの通り、誰かがちゃんとGPSロガーで記録したルートを更新してくれています。
こりゃすごい!この地図データさえあればロシア旅は無敵です!そしてもちろんアフリカも。。。

素晴らしい情報を教えてくれたハンスには本当に感謝なのです。ありがとう!

■GARMINデータとして使う際の注意
世の中には便利なツールがあって、このOpenStreetMapのデータをGARMIN用データに変換できるものがあります。しかしながら、このツールは開発者個人の善意で提供されており、なおかつ使用の際にはサーバにかなり負担がかかるため、ここで安易に紹介するのは控えたいと思います。

また、上記すべてが無料で使えるということは、当然ながら地図データで商売しているGARMIN社にとって不利益となる可能性についても留意が必要です。(OpenStreetMapの存在をGARMIN社が脅威と感じた場合、将来の製品に特殊なロックがかかる可能性も有り得ます。)

宣伝になってしまうかも知れませんが、正直言って先進国ではGARMINマップソースは無敵です!日本とヨーロッパとモスクワ周辺でGARMIN City Navigatorを使った経験から言うと、その出来は素晴らしく、単にナビが出来るだけでなく、給油所・スーパー・キャンプ場などの膨大な便利データが詰まっていることは旅行者にとって大きな助けとなります。これらの施設情報の為だけでも、高価なGARMINマップソースを購入するメリットは十分にあると感じています。結果的に、莫大な時間とお金の節約になるからです。(この件については後日、別エントリで詳しく説明します)

従ってOpenStreetMapデータを使うのは、あくまでもGARMIN製品がカバーしきれていない地域を補うためと考えるべきでしょう。特にシベリアやアフリカなどの過疎エリアはGARMIN社にもヤル気が感じられませんので、こういったマイナーな地域こそOpenStreetMapデータの出番だと思います。無料だから使うのではなく、ソレしか無いから使う、というスタンスです。

というわけで、OpenStreetMapデータの変換方法については、真面目にこれらの地域を旅行したいと考えている方のみ、個別にメールで青山までお問い合わせください。ご理解のほど宜しくお願いします。(連絡先は自己紹介欄からどうぞ)

※追記:後で知りましたが、南アのTracks4Africaというサイトで、GARMIN用のアフリカGPSマップを販売しています。アフリカ全土(西アフリカ含む)を正確にカバーしているらしく、オーバーランダー達の間で非常に評判が良いです。SDカードはオンラインで購入できます。

※ちなみにOSMマップは無料かつ都市部まで網羅されているためロシア・アフリカ方面の節約旅行者に大人気ですが、たまに道路の接続部分の編集に失敗してる箇所があって、稀にですが10km先の街に行くのに400km迂回するようなアホな結果が出たりする事もあります。常識的に考えればあり得ないので、それで迷う人はいないと思いますが。。。まあ、無料データでナビ機能が使えるだけでも御の字ですし、OSMの道路表示は正確なので多少の編集ミスを上回る価値はあると思います。


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