トップタブ(ページ群)

2010年9月6日

さようなら、ロシア

今にして思えば、ロシア横断は1ヵ月ちょっとあればワゴンRでも十分に達成可能だったと思います。だけどワタクシ、3ヶ月ビザのうち2.5ヶ月というギリギリまでロシアの懐にどっぷり漬かっていました。この間、ロシアに大勢の友達が出来ましたが、元を辿ればただ一つの偶然から。。。。

やっぱりチタでのミーハとの出会いは大きかったと思うのです。

出発を前にベソをかいてる私のそばで、ミーハが窓辺の空を見ながらこんな事を言いました。
「この空を見てよ。サンクトペテルブルグは日に日に寒くなるばかりだ。そして僕のヒッチハイク旅も終わってしまった。あとは2年間ここで毎日働くだけ。。。僕の夏は終わって、僕は自由を失って、僕の心はいま空っぽでなんにもない。だけどナオコ、君の旅はまだ途中だろ。これからヨーロッパを経て常夏のアフリカへ向かうんだろ。だから走ってくれ。それこそが、冬を迎える僕にとっての暖かな希望なんだ。」

ミーハはそう言って、一緒にキャンプした時にずっと使っていた、焚き火で真っ黒にすすけた愛用の飯ごう(カテローク)を私に差し出し、
「君にこれをあげる。こいつは旅が好きなんだと思う。だから、連れてってやって。」


ちくしょうミーハめ。裸足の原始人だったくせにこんな粋な餞別をくれるなんて反則だぞ。。。。

※同じ頃、ミーハはこんな事も打ち明けてくれました。「ナオコ、変な夢を見たよ。君が僕の事を"ママ~"って言いながら抱きしめるんだ。姉さんのターニャもそばにいた。これって変だろ?」って。その時私はハハハと聞き流すフリをしましたが、実は不思議と思わなかったです。今でも彼らとはどこかで家族だったような気がしてなりません。

※2014/10追記: 信じがたいことですが、ミーハはこの4年後に火事で命を落としました。
追悼記事はこちら(2014.10.29)。

■9/6 サンクトペテルブルグ~フィンランド国境 (約230km)
M10へ向けてサンクトペテルブルグ市内を抜けるのに、いつもどおりGARMIN City Navigatorが手放せなかった私。だけど、昨日SAITAMAまで行った時とほぼ同じルートなので良い予行演習になりました。ネヴァ川の美しい景観を眺めながらのドライブですが、気を抜かずに運転に集中です。

郊外からフィンランド国境までは、M10を使って僅か200キロほどしかないので、いかにノロマなワゴンRでも確実に1日で着いてしまいます。サンクトのKAD(外環道路)を過ぎたあたりから国際便の長距離トラックをよく見かけるようになりますが、Vyborg北側を迂回するバイパスを通過するまで、Cafeの類は全く見かけませんでした(GSはあります)。

Vyborgを超えてフィンランド国境が近づいてくると、やっとCafe宿がチラホラ出現しますが、今までのとなんか雰囲気が違う。ついでに言うと、この付近にはグリーンカード(ヨーロッパの自賠責保険)を扱う窓口がやたらと多いです。キリル文字で"Zelyonaya Karta"(ジリョーナヤ・カルタ)と書いてある看板は全部Green Card屋さんです。ただし!ここではロシアで登録した車両しか加入させて貰えません。私のワゴンRは国際ナンバーなのでNGです。残念。

※自分の車両でヨーロッパをドライブする場合、自賠責保険であるグリーンカード加入は非常に重要です(非加入で運転した場合は罰則があります)。価格や加入方法については次のエントリで詳しく紹介しますので、ロシアからフィンランドへ抜ける予定の方は参考にしてください。

にほんブログ村 ひとりごとへにほんブログ村 大陸横断・大陸縦断へ