なんだか憂鬱な気分でチタを出て、あてもなく50kmほど走ったところにCafe(食堂)とGSを発見。もういいや、ここで何か食べて車中泊させて貰おう、と思って店に入ると、東洋人の顔立ちをした可愛いニーナという女の子がいて、なんとカタコトの英語が通じるではありませんか!
しかもよくよく聞いてみると「うちはシャワーはタダですよ。あと、2階の部屋は400Rで泊まれます」とのこと。ま、まじで!? 安い。こんな気前のいいCafeは初めてです。しかも何だか新しくて清潔だし。すごい、天国だ。よし決めた。ここに泊まろう。
道中汗とホコリまみれで異臭を放っていた私は、久々に温かいシャワーを浴びてやっと生き返った心地。しかも、洗濯したいと言ったらニーナが立派なタライを持ってきてくれて、思う存分汚れた服を洗うことが出来ました!うわーん、有難うー。さらに、2Fのダブル部屋は広くて明るくて涼しく、共同のトイレはピカピカの清潔な洋式。なんて素晴らしいんだ。無理してチタの薄暗いホテルに泊まらなくて良かった。
。。。と、そうしてグッスリ眠れたまでは良かったのですが、翌朝目覚めてみると相変わらず食欲ゼロで体調はイマイチ。なんとなく気力も萎えていた私は、部屋に閉じこもってひたすら書き物。しかしこんな何も食べれないような状態でやっていけるのか自分。サンクトペテルブルクまでの長い道のりを思うと、気が遠くなりそうでした。かなり弱気。
午後、1Fの食堂に降りて軽食を注文。と、その時ちょうど店に入ってきた青年に目が釘付けに。。。。巨大なバックパックにボロボロのシャツ。明らかに旅行者です。もしかしたら英語通じるかも。。。と声をかけてみると、「やあ、僕はミハイユ。ミーハって呼んで。ロシア人だけど英語できるよ。ヒッチハイクでウラジオストクからサンクトペテルブルクまで行く途中なんだ。」とのこと。おおー、同じサンクト行きとは奇遇ではありませんか。
ミーハは24歳でサハリン出身。ちょうどウラジオストクの医大を卒業したばかりで、夏からサンクトの病院に就職が決まっているのだそうです。一緒に食事しながら「オイル交換てロシア語で何ていうの?」などと他愛もない世間話をしていたのですが、んん?まてよ?ヒッチハイカーということは、ワゴンRでちょっとくらい乗せてってもいいかな?
こんな所で英語が通じるロシア人のヒッチハイカー(しかも同じ方向)に出会うというのは、なんとも出来すぎた話ですが、道中の案内と通訳をして貰えるならこんなに有難いことはありません。しかも、ちょうど体調が悪いときにお医者さんのタマゴに会うというのもビックリ。良かったらチョット間私の車に乗ってみる?と誘ってみると「もちろん、乗せてくれるなら一緒に行くよ。通訳もするし案内も任せて。」とのこと。
ニーナといい、ミーハといい、ここのCafeでの出会いはとても有難かったです。ニーナにお礼とサヨナラを言って、ミーハの大きなバックパックをワゴンRに放り込み、この先どういう展開になるか全く分からないままチタのCafe宿を出発しました。