今回の旅のパートナーになる予定のワゴンRについて、前に、1000円で買ったという話を少し書きましたが、実はちょっとした思い出があります。忘れないうちに書いておこう。。。
去年の7月半ばのことです。Yahoo!自動車で0.1万円の青いワゴンRを発見した私は、さして気に止めることもなく何日か放置してました(だって1000円なんて怪しすぎる)。しかしある朝なぜか「念のため現物を見に行こう、でないと後悔しそうだ」という気持ちになり、バイクで埼玉の中古車ディーラーまで走っていったわけです。
現地についてビックリ!予想以上にコンディションが良い車ではないですか。そしてフロントには「0.1万円」の札がついてる。うおおおお、これいいじゃん!ちょっと中見せて貰ってもいいですか?と店の人に訊いたら、「いや~、実はもう売約済みでして。。。すでに頭金も頂いてるんです」
なにいぃぃぃぃ~!売約済み~!?
よくよく訊いてみると、乗り出し価格13.5万円(車両価格・車検・登録・整備代)のうち、5万円を頭金で入れてったオジサンがいるらしい。
常識的には、店の人にこう言われた時点で諦めなければなりません。
だけど、本当に1000円とは思えないほど魅力的な車両だったので、諦めるにしても中を見てから。。。と思い「売約済みでも構いません。ちょっと運転席に座らせて貰えませんか?」ときいたら、「もちろん見るだけならいくらでもどうぞ」と、カギを渡してくれました。
そしたら内装も想像以上に綺麗でビックリ。そりゃこんだけ程度が良ければ売約済みにもなるよなぁ。。。と悔しい思いでしばらくボーゼンと運転席に座っていた私。ところがハンドルを握ると、不思議とこれが自分のクルマのように思えてきたんです。なんというか、すごいしっくり来るというか。
気が付くと、まるで自分のもののようにティッシュで窓やミラーを拭きながら「ねえキミ、良かったら私のクルマにならない?私の所に来たら、もっとピカピカにしてあげる。でもって一緒にグライダーの滑空場に行こうよ。絶対オジサンのとこに行くより、私のとこの方が楽しいと思うよ!もちろん、どっちを選ぶかはキミの自由だけど。。。」と、心の中でクルマに向かって必死に口説いてたり。
そうこうしてたら、店の人が「あのう、実は先約の人なんですけど、売約済みといいつつまだ頭金しか貰ってないもんで、今日の正午までに本契約するかどうかウチに連絡がある約束なんです。ダメもとでそれまで待ってみますか?」と声をかけてくれました。「有難うございます。奇跡が起こるかも知れないので待ちます!」
望みは薄いにしても、この提案を断る手はありません。
近所のATMで現金をおろし、いつでも満額払って契約できる体勢にスタンバイ。
で、正午まで待ちました。
先約のオジサンからは全く連絡ナシ!よっしゃーーー!
その瞬間に私は"乗り出し価格"13.5万円の入った封筒をカウンターに差し出し
「満額ですっ!これでお願いしますっ!」
すると店の人が「よかった。実は頭金を入れた人、ヤがついてそうなオジサンで正直売るの怖かったんですよね。。。先方から期限までに連絡無かったし、お客さんが満額出してくれたお陰でお断りする口実が出来ました」とニコニコ顔で契約書を書いてくれたんです。うわー、なんか運良すぎじゃない!?
。。。と、そんな奇跡があって、1000円のワゴンRの横取りに成功したのでした。
当時は本当にグライダー場を往復する目的のためだけにクルマを探していたわけで、イイ車を安く買えてラッキー♪位にしか思ってなかったんですけど、気が付いたらこの子と一緒にユーラシア大陸横断する計画なんかを練ってるわけで。。。。予想外だよなぁ、やっぱり。
あの日ワゴンRが本当に私を選んでくれたんじゃないかと、今でも時々思うんです。