サマーラでの2日目、ヴィクトルさんが「今日は暑いから、皆でヴォルガ川に泳ぎに行こう。ロシアに来たからには、ヴォルガ川を見ないとね。友達のミーシャを呼んだから、彼のクルマに乗せて貰えばいい。」と、至れり尽くせりのおもてなし。というか、ヴィクトルさんは明らかに私のためにお勤めを早く切り上げて午前中(!)に帰宅してました。ロシア人ってどうしてこんなに超親切なんだろう。
この日もカンカン照りで気温が40℃を超えるのは分かっていたし、川へ遊びに行くということで、私もついに長袖+長ズボン+登山靴をやめてTシャツ+短パン+サンダルに変身です!(実はこの日はじめて短パンの快適さに気付いてしまい、その後ずっと短パン姿で過ごすようになってしまいました。だって暑いんだもん) やがて、お友達のミーシャが年代もののロシア製のクルマで迎えに来てくれて、ヴィクトル、リューダ、私の4人でヴォルガ川のビーチへ。
ヴォルガ川はさすがロシアを代表するだけあって巨大でした。ロシアの都市は川沿いに発展している所が多く、このヴォルガ川沿いにもサマーラをはじめとする都市がいくつかあります。今でも客船や貨物船がそれらの都市を行き来しており、ヴォルガ川が交通の要所である事を物語っています。
ビーチには大勢の人々が涼みに来ており、暑さがピークになる午後4時ごろには芋を洗うような混雑でした。近くにはカフェや売店が軒をつらねており、売り子さんたちが「冷たいビールはいかがですかー」などと言いながら人々の間を行き交っています。もちろん全部ロシア語なんだけど、なんとなく馴染みある光景にちょっと日本を思い出したりして。
夕方、みんなで家に戻って夕食の支度です。リューダが家庭菜園から、トマトとキュウリをどっさりとってきて山盛りサラダ。どの野菜もとれたてて甘くて本当に美味しい~!ロシアでよく使われるウクロップ(ディル)やペトルーシュカ(パセリ)などの香草を刻んで、マヨネーズで和えるだけで絶品サラダの出来上がりです。
「ペリメニは食べた事あるかね?」「いえ、まだです」「そうかそうか、それじゃ今晩はペリメニにしよう」と作ってくれたのが、ロシア風水餃子(ペリメニ)のスープ。日本の餃子とは全然違って、一つ一つが小さな鈴みたいな形をしています。そして中には肉が詰まっていて、とってもフクースナ~(美味しい~)!
というわけでサマーラにて、初バーニャ、初ヴォルガ川、初ペリメニを一気に制覇することができました。「はっはっは、ロシア名物をいろいろ初体験できて良かったね」とヴィクトルさん。夕涼みに庭でスイカを食べつつ、ギターを持ってきて自作の歌曲を披露してくれました。「私の心はいつでもミュージシャンなんだ。若い頃からたくさん作詞・作曲してきたよ。といっても私は無名だけどね。」そう言いながら、息子のイヴァンと一緒に奏でてくれた音楽はプロ並みの迫力でビックリ。
そんなヴィクトルさん一家を見ながら、なんか素敵だなあと思ったり。サマーラには2泊させて貰いましたが、短い間に様々なロシアらしさが凝縮されていたと思います。おみやげに沢山の新鮮な野菜を持たせてくれたヴィクトルさん夫妻に、心から有難うなのです。