日曜日、サーシャが再びアルバート通りに行くというので、またまたモスクワ中心街まで便乗させて貰いました。ただし今回は観光ではなく、カフェでのボランティアのミーティングです。私みたいな外国人が参加しちゃっていいのかしら?
実はサーシャは数年前から孤児院の子供達を助けるボランティアを主催していて、ほぼ2ヶ月毎に孤児院を訪れてはパーティを開催したり、子供向けの教室を開催したり、寄付を募って日用品などの物資を届けたりしています。ロシアの孤児院は地域によって支援状況が大きく異なり、モスクワから離れるほど経済的に厳しい状況とのこと。
最初はサーシャ達を中心とした数人の有志で活動を開始したそうです。まず、支援が必要な孤児院とコンタクトを取り、必要な物資のリストを作成し、子供達のパーティの段取りを決め、それからメールを通じて友達や同僚などに呼びかけを行います。「もし家庭で使わない日用品があったら子供達に分けてあげてください。パーティ用の食材等も歓迎です。現在不足しているのは石鹸が○○個、タオル○○枚。。。」
当時、手探り状態で発信した呼びかけに思いがけない反響があり、あっという間に必要な物資が集まったといいます。
ある時、施設の子供達に新年のプレゼントを用意しようという事になり、100人ほどの子供達全員に欲しいものを書いて貰ったところ、デジカメ、MP3プレイヤー、ローラーブレード等々、かなり高価なものばかりでスタッフ一同「本当に全員分用意できるのか」と頭をかかえたそうえすが、とにかくやってみよう!という事に。一覧に子供達の名前と欲しい物をまとめ、Webで誰でも閲覧できるようにした上でメールで協力を呼びかけたところ、なんとモスクワだけでなくロシア全土、はてはヨーロッパのおもちゃメーカーからも反響が。。。!
「あの時は、ほんとに奇跡みたいだったの」とサーシャ。連日のようにあちこちから贈り物が届き、子供達の欲しい物リストが次々と埋まっていったといいます。そして新年のお祝いの日、100人の子供達は一人残らず望みどおりのプレゼントを手にしたそうです。す、すごい。。。
最初は数人の有志で始めたこのボランティアも、いまや数十人のメンバーが活動するほどに成長したのだとか。この日も、若者が10人ほどカフェに集まって、次の孤児院訪問の計画について話し合っていました。どんなパーティにするのか、どんなお楽しみ教室を開催するか、そのためにどんな寄付を募るべきか。。。などなど。
もちろんロシア語のミーティングだったので全然意味が分からなかった私は、皆のそばでカフェの無料WiFiに接続させて貰ったりして遊んでいたのですが、ミーティングが終わるころ、サーシャがひとこと「ナオコ、次の孤児院訪問では子供達に寿司の巻き方を教える事に決まったのよ!」とひとこと。(既に100人分の割り箸をどうやって調達するかという所まで話が進んでいた。。。) ま、まじですか!(0o0)
みんな月に2回ほど、こうしてカフェに集まっています。しかも全然シリアスじゃなくて、みんなとっても楽しそう。だけど毎回トラック2台分もの物資を孤児院に届けるというから大したものです。わずかな人数の若者達だけで、年に何回もそんな大規模なイベントを成功させているという所が本当にビックリでした。私なんか東京に居る頃は自分の事だけで精一杯だと思っていたけど、それに比べるとモスクワの若者はものすごく意識が高いなぁ。サーシャ尊敬。。。