ロシア西端の都サンクトペテルブルグにて、遂にミーハと4度目の再会を果たしました。
この日、どうやらミーハは勤務予定の病院でいろいろ準備があったらしく、襟付きシャツ(ネクタイもしめてたらしい)に革靴というパリッとした姿に変身していて「今日から僕は医者だからね」ですって。ぷぷぷ。この野生児が何を言う。
改装中のフラットの秘密
そして案内して貰ったターニャ達の本宅(家主不在)ですが、15階建ての集合住宅の12階で見晴らしGOOD!バス、キッチン、リビング兼寝室という質素な造りの小さなフラットです。
ただ、このフラットはいろんな意味で未完成で、ビックリしたのは水が出る蛇口がバスタブにしかないという事。キッチンはあるのですが、シンクがない。従って水汲みや食器洗いなどは全て風呂場まで行って実施です。ついでに言うとトイレにドアはなく、引越し用の発砲シートがカーテン代わりだったりして。
いろいろ話を聞いて分かったのは、どうやらロシアでは出来立て(もしくは中古)のフラットを安く購入し、自分達で内装や設備を立派に仕上げて、より高い値段で転売する、という面白い投資が若い人の間で普通に行われているという事。新築=完成品の日本とは大違い!というわけで、ターニャ達もこのフラットに付加価値を与えるべく頑張っていたようです。
ただ、ミーハ曰く 「この家は2年間ずっと作りかけなのさ!」 なのだとか。。。
※日本でも分譲マンションとかそういう売り方をすれば、DIYの楽しさと投資のワクワクが同時に味わえて面白いと思います。でも、年数によって問答無用に不動産価値が下がる日本の現行システムだと、あまりお金かけて改装するモチベーションが湧かないですね。買った時よりも高値で転売できるシステムがありさえすれば、日本でだってみんな頑張ると思うんだけど。
ここはイソーロー天国!
実はターニャの旦那のセルゲイがヴォロネジで仕事をしている間、このサンクトペテルブルグの留守を守っていたのは、居候の音楽家のスタッスとアーニャの2人。バグパイプやフルートなどの管楽器が得意なスタッスは根っからの旅人で、人生の大半を旅行に費やしています。完全にプロの旅行家というか、例えば500ユーロだけ握り締めてヨーロッパへ渡り、お金が尽きたら路上でフルートを演奏して稼いでいたというから超たくましい。旅行家だけあって英語は堪能です。
そんなスタッスの恋人のアーニャはその昔、サハリンの有名なロックバンドでヴォーカルやキーボードをつとめていた事があり、まだ小学生だったミーハを夢中にさせたという伝説の女性。鍵楽器が得意なアーニャは、現在スタッスの音楽に合わせてアコーディオンを演奏しています。この日はスタッスと2人で公園に行って、コンサートに備えるため大きなフルートの練習をしていました。
私が到着してからさらに、ミーハの医学校時代の同級生で心臓外科医になる予定のディモンも、このフラットにやってきました。寮への入居が決まるまでの間、ミーハと共同生活することに。彼は医療翻訳の資格を持っているらしく、かなり流暢に英語を話しますが
「~なぜならば中心街の宿は高価であり、寮への入居へは日数が必要であるから。。。」
といった調子で、なんとなく学術書っぽいしゃべり方をするのが素敵。
でもって、ミーハと2週間ばかりの珍道中を体験したというだけの理由でここにいる、怪しい日本人旅行者の私。ちなみに、ミーハ自身もここでは完全に居候だという事を考慮すると、私は「居候の居候」という事になります。ミーハはこの9月から2年間、サンクトペテルブルグの病院で精神科医としての勤務が決まっているそうですが、おそらく彼も当分このターニャ達の家で暮らすことになるでしょう。というわけで、ええと、スタッス、アーニャ、ミーハ、ディモン、青山。。。の居候5人組の楽しい生活がスタートです。
いやーまさか夢の都サンクトペテルブルグで、こんな賑やかになるとは。ていうか家主不在の家で5人全員イソーローって、日本じゃ考えられない展開ですけど、ロシアでは全く違和感がないのが不思議です。ミーハ、ターニャ、私を居させてくれて本当に有難う。
※2013追記:サンクトペテルブルグの車中泊情報をいただきました。埠頭(客船ターミナル)に、ホテル併設24時間ガード付き、500Rの立派なスタヤンカがあるそうです。場所はこちら(Google Map)