実はターニャが大の映画ファンだったお陰で、毎日のようにロシア映画の名作をみせて貰っていました。いわく、現代の作品よりもソビエト時代の作品のほうが遥かに名作が多いそうです。特に60~80年代のソビエトでは、優れた役者は映画に出演するだけでなく、一般の舞台でも頻繁に演じていたため、演技のクォリティが非常に高かったといいます。
もちろん私はロシア語が分からないので、英語の字幕つきで鑑賞させて頂きました。(´ω`) それでも歴史的背景などで分からない事があった場合は、ターニャが速攻で教えてくれるので、意外とロシア史の勉強にもなったかも。もちろん名作ばかりなので、どれも見ていて非常に面白かったです。以下に、見せてもらった映画の一部を紹介します:
「幸運の紳士たち」Gentlemen of Fortune
善良な主人公が悪人になりすますコメディ映画。ある幼稚園の先生が、"犯人に顔が似ている"という理由で、おとり捜査のために極悪非道な盗賊のリーダーになりすますよう要請される。そして当局のシナリオ通りに、監獄にいた子分を引き連れて脱獄するのだが。。。様々な出来事を経て、悪人たちが少しずつ改心してゆく様子がコミカルに描かれている。
「持参金のない娘」Ruthless Romance
高い身分でありながら、持参金がないため結婚に苦労している美しい娘の悲劇。彼女はある金持ちの貴族と恋に落ちるが、持参金がないため結婚はかなわず。ついに幸せな結婚を諦め、とあるけちな男のプロポーズを受けるが。。。モテモテなのに結婚できず、男性達の気まぐれに翻弄される美女の悲劇。
「運命の皮肉」The Irony of Fate
モスクワ在住の主人公は、大晦日に婚約したばかり。しかし大晦日の恒例で友達とサウナで飲んだくれ前後不覚になり、飛行機に乗ってサンクトペテルブルグへ行く羽目に。タクシーに乗り、自分の家だと思って着いた家は、見知らぬ美女の家だった。。。ロシアでは大晦日に必ずTVで放映されるほど有名な恋愛映画。
「イヴァン・ヴァシーリエヴィチ職を変える」Ivan Vasilievich: Back to the Future
ある科学者が発明したタイムマシンを発動させたところ、冷酷非道な皇帝の支配する時代に繋がる。たまたま近くにいたご近所さんと泥棒の2人が過去に取り残され、過去からは恐ろしい皇帝が現代へとやってきてしまった。。。ロシア史をコミカルに描いたコメディー。
「不思議惑星キン・ザ・ザ」Kin-Dza-Dza
妻にマカロニを頼まれて買いに行った男と、若いバイオリニストの2人が、街角で宇宙人を名乗る不思議な男との出合いによって、キンザザと呼ばれる砂漠の惑星にテレポートされてしまう。SFコメディ映画なのだが、ほとんど制作費をかけていない所が見事。キンザザでのユニークな言葉遣いとジェスチャーは、ロシアで知らぬ者はいないほど有名。
「職場恋愛」Office Romance
人間不信で仕事に人生を捧げる女ボスと、口下手で実力を認めてもらえない部下の男が、あるパーティでの粗相をきっかけにして、互いに興味を抱くようになる。不器用なアプローチを続ける2人のやりとりも興味深いが、洒落っ気の全く無かった女ボスが素晴らしくファッショナブルに変身する過程は素晴らしい。2人の演技力の高さにも注目。