サンクトペテルブルグでは是非とも2度目のオイル交換が必要です。前回、ノボシビルスクのAVTOMIRで至れり尽くせりのオイル交換から7000km以上経っているので。
ミーハに相談したら「オイル交換の事なら心配しなくていい。叔父さんのジェーニャが今日、サンクトペテルブルグのAVTOMIRに案内してくれるって!」
おおお、AVTOMIRの支店だったら安心だ。さすがサンクトペテルブルグ、都会だけあって話が早い。
ジェーニャはその昔、軍隊でドライバーをやっていた事があって、クルマには超詳しいのです。この日早速ワゴンRを先導して貰って、念願のAVTOMIRにやってきました。うん、ちゃんとSUZUKI代理店の看板が出てる。はっはっは、これでオイル交換は済んだも同然だ。。。と思ったら、ミーハとジェーニャがAVTOMIRの窓口でのやり取りのあと、神妙な顔をして戻ってきました。
「ナオコ、ここのAVTOMIRでは君のクルマはダメだって」「えっ!?なんで!!だってSUZUKIの看板が出てるじゃない!(゚Д゚)」「違うんだ。同じSUZUKIでもここはヨーロッパ仕様の左ハンドル車しか診ないって。君のは右ハンドルだからダメだってさ。」ななな、なんですとー!!!! 「マジで?オイル交換もしてくれないの?そんなのハンドル関係ないじゃん!」「やつら、右ハンドル車は経験がないから無理だって言ってる。同じロシアでもここはヨーロッパなんだ。仕方ない、次を探そう。」
がびーん。予想外の展開。でも確かに、欧州車が主流な地域で右ハンドル車を整備する機会が無いのも無理はない。。。いやでも、ここロシアでしょ!極東から日本の右ハンドルの中古車に乗ってサンクトペテルブルグに来る人だって沢山いるでしょ。そういう人達はどうやって整備してるの?「大丈夫、ちゃんと日本車に詳しい店もあるから。ジェーニャについていこう」
次にジェーニャが連れてってくれたのは、なんと日本車専門のパーツセンターでした。中に入るとパーツの山でドンキホーテ状態。「ここにはありとあらゆる日本車のパーツが揃ってるんだよ。まずは君のオイルフィルタを調達しよう。」そう言って、ワゴンRに適合する怪しい車外品フィルタを2個ゲット。なんか無理やり探してきたっぽくて、大きさがマチマチなんですですけど。。。「心配いらない。径さえ合ってれば装着可能だから。」とジェーニャ。こういう時、クルマに詳しい人がいると本当に安心です。
それから再びワゴンRを先導して貰い、やがて着いたのはネヴァ側の北にある超ローカルな整備工場。その名も。。。"SAITAMA"!
「SAITAMAは日本車専門の修理工場なんだ。私が昔乗ってたホンダも右ハンドルでね、ここでお世話になってたんだよ」
おおおおこんなマニアックな店がサンクトペテルブルグあったとは!ジェーニャのお陰でなければ、絶対にこんな店を見つけられるハズがありません。超超超感謝です!!!
しかも工場内で「あのー日本の方ですか?」と日本語で声をかけられビックリ。振り返ると流暢に日本語を喋るメカニックさんが。
「私はイヴァンといいます。日本語を勉強しています。どうぞ宜しく」
うおおおおーーー!!びっくりしたーーー!イヴァンさん、日本語上手ですね。何年くらい日本に住んでたんですか?
「いえ、日本には一回も行ったことがありません。」
ウッソー!?じゃあもしかして日本人の先生に教わってるんですか?
「いえ、ロシア人の先生に日本語を教わっています」
えええええーーーー!?Σ(゚皿゚)
やばい、やばすぎるSAITAMA。日本語通じる(イヴァンさん限定)。ていうか何でSAITAMAなんだろう?埼玉県と何か関係あるんですか?
「いえ、全然関係ありません」
おおおお超COOOOOL~~~!!! サイタマ、サイコー!!!
あ、で肝心のオイル交換ですが、フィルタとオイル3L分のボトルを渡したら、ものの30分でさくっと終了。代金は工賃のみ。うわー、こういう職人気質な整備工場もあったのかぁ。府中のオフロードセンターを思い出すというか、なんかすごい落ち着く。
参考までに、SAITAMAの所在地を載せておきます:
AVTOTSENTR SAITAMA
住所:Ul.Vatutina 17 (St.Petersburg)
GPS座標:N59 57.854 E30 22.518
電話:542-22-15
http://www.saitama.ru/
※この店はウェブサイトは立派ですが、看板出してないので発見が難しいかもです。座標の場所に行ったら、付近の人に聞くか、壁に「САЙТАМА」と書かれた小さなプレートがないか探してみてください。
最初AVTOMIRに断られた時「こりゃもうダメだ」と長期戦を覚悟したけど、ジェーニャのお陰でその日のうちに完璧にオイル交換が済んでしまって、まるで魔法か何かを見ているようでした。さすが地元のエキスパートは頼り甲斐があります。
ありがとうジェーニャ!そしてミーハも通訳ありがとう!