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2010年12月30日

セグーの休日(1)

セグー(Segou)の街は本当に静かでのんびりとした雰囲気です。街は豊かな緑で覆われており、どこへ行っても木陰が楽しめます。

広い大通りには涼しげな並木が続き、交通渋滞も全くありません。木々の合間に、植民地時代に建てられたコロニアル風の建物がのぞいているのもセグーの特徴です。

宿でのんびりしてたら、バマコの宿で出会った立派なランドローバーの夫婦(イギリス人)がやってきました。川の眺めが素晴らしいレストランがあるから是非行ってみよう!という事になり、4人でおでかけ。しかし、並木道をおしゃべりしながらてくてく歩いていたら、うっかりだいぶ通り越してしまいました。

そこで「近くの丸木舟(ピローグ)を雇って川辺のレストランまで船で行こう」という粋な話が持ち上がり、ピーターが川辺の船頭さんに声をかけて交渉成立~。夕日のニジェール川を地元のピローグで渡るなんて素敵!

ニジェール川は浅く、船頭さんは船尾に立って長い棒で川底を突きながらゆっくりとピローグを進めます。観光用の巨大ピローグではなく、本物の地元ピローグを4人で貸切というのも良かったです。日が沈んで、川岸のセグーの明かりがキラキラしだしたころ、目的のレストラン近くの岸辺に到着。そっか、ここでは桟橋なんて要らないんだ。


■ 子供達にボールを贈る
ドケチな私は貧しい人を目の前にすると逃げてしまうタイプでしたが、ピーターは貧しい人々に惜しみなく分け与える人でした。彼自身、決して裕福なわけじゃないのに。
元々気前の良いピーターは、とりわけアフリカの子供達には優しかったです。ある時、セグーのカフェテラスで休憩していたら、子供達が近寄ってきてお願いを始めました。

「僕達サッカーの練習をしたいけど、ボールが無いんです。2000CFA恵んでください」
ピーターはちらっと(ケチな)私を見て、
「ナオコ、どう思う?我々の共同財布からこの子達に2000CFAあげようと思うんだが。」
「子供に2000CFAも?信用できないなぁ。何に使われるか分かりませんよ?」



。。。というわけで近くの店に行ってボールの値段を聞いたら1個1000CFAでした。
ふん、言わんこっちゃない。ボールは口実で本当はただのこづかい欲しさで寄ってきたんでしょ?と冷めた目で見ていた私ですが、ピーターを見るとお構いなしのニコニコ顔。
「ははは、こいつめ。2倍の値段を言って差額をちょろまかす気だったんだな。」と言いつつ、1000CFAで新しいボールを買って子供達へ手渡していました。

おじさん、ありがとう!ありがとう!と大喜びの子供達。
やがてピーターと子供達のサッカー大会が始まりました。遠まきに見ていた私もそのうちやっと、ああこの子達はお金じゃなくて本当にボールが欲しかったんだなぁ、と分かってきた。
幼い頃からしたたかな交渉に長けているアフリカの子供達ですが、私は言葉に捉われすぎていて子供達の心の中まで見ていなかったのです。

オランダからやってきた不思議なオジサンは、私をグイナ滝に導いてくれただけでなく、もっと大切な事を教えてくれつつありました。。。


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