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2010年12月5日

サハラ縦断道一気走り

もう少しヌアディブでピーター達とゆっくり過ごしたかった所ですが、私達はマリへの道のりも考慮して、早めにヌアクショット(Nouakchott)に向けて出発することにしました。ヌアディブ~ヌアクショット間は舗装路とはいえ500kmあるので、私の通常のノロノロ運転だと2日かかる計算ですが「大丈夫!1日で行けるって!」というロムの激励(?)もあって、サハラ縦断道路イッキ走り確定。

実はこの区間が舗装されたのは2005年で、それ以前は完全に何も無い砂漠でした。なので前回(2003)初めて来た時は、バイク(XLR80)ごとフランス人のトラックに積んで貰い、そのトラックが何度も埋まったりパンクしたりしながらヌアクショットまで4日がかり、というワイルドな行程だった記憶があります。なので現在この区間を1日で移動できると言われても、内心ちょっと信じられず。。。

しかし走り出してみると確かに穴ボコひとつない立派なアスファルトが延々と続いていて、何やら文明の香りが漂っています。おお、なんか前回と全然違う雰囲気だぞ。やるじゃないかモーリタニア。何だかワゴンRでも1日で行けそうな気分になってきた!?

ここでも少し驚いたのは、砂漠が一面の緑で覆われていたことです。これは。。。砂漠というより草原みたいな印象なんですけど。うーん、サハラってこんな豊かな感じだったっけ?だけど良く見ると、草原の向こうに砂丘があったりして、かろうじて砂漠の面影をとどめています。これってどういうこと?たまたまそういう季節なのか、異常気象で大量に雨が降ったのか。。。?

途中ラクダの群れが美味しそうに草を食んでいるのを見つけて、思わず見とれてしまう我々でしたが、大丈夫なのかサハラ砂漠。こんなに青々としてていいのか。そのうちサハラ草原と改名する日が来るんじゃないのか。

※後でピーターに聞いたら「30年以上サハラ越えをしてきたけど、こんなに緑で覆われているサハラを見たのは初めてだ」とのこと。やっぱり珍しい現象だったみたいです。

■Gare du Nordとポリスチェック
ちなみにこの500km、途中確実に給油できる大きなGSは、ヌアディブ~ヌアクショットのちょうど中間250km地点にあたる一箇所しかありません。その名も"Gare du Nord"(北の駅)。何も無い砂漠の真ん中に突然大きなGSが現れるのは不思議な感じですが、ここのGSには食堂や売店なども併設されていて、長距離ドライバーのオアシスになっています。
(途中には他にも小さなGSが何軒かありますが、100%ガソリンが手に入るという保証がないのでアテにしない方が安全かも)

Gare du Nord
GPS: N20°03.107 W015°55.278
※ヌアディブから250km地点の巨大GS。食堂・売店あり。


250km無給油と聞いて内心ビビる私でしたが、よく考えたら昔はGSはおろか道路すら無かったわけで、Gare du Nordの存在は非常に頼もしい!というかそもそも、ワゴンRみたいな車でもサハラを縦断できるようになった事自体が非常に画期的だと思います。ドライバーにとってある意味命懸けだったサハラ縦断が、こんなにも安全・快適になったとは夢みたいです。

道中10箇所くらいポリスチェックがあるので、Ficheを大量に用意しておいたほうが時間的に無難です。HUBB掲示板などの情報を見ると、以前は賄賂目的での車両検査などが横行しており非常に評判が悪かったモーリタニアですが、2010年に大統領が変わってからは、全てのポリスチェックが非常に紳士的かつスムーズになりました。というわけで道中まったく問題なし。

お陰さまでヌアディブを出発したのは朝10時とかなりのんびりなスタートでしたが、Gare du Nord到着は午後2時すぎ、ヌアクショット到着は夜の7時。朝の気温は19℃と涼しく、道中の最高気温は40℃くらいで全体的にしのぎやすかったです。12月はサハラ縦断道路のベストシーズンかも。

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