■ 日本のJAFにワゴンR売却の件を問いあわせ
というわけで早速、カルネ発行の際にお世話になったJAFの担当者のFさんにメールとSkype電話で問い合わせしました。こういう時にWiFi無料の宿というのは本当に助かります!
大前提として、海外での車両売却にあたり「カルネを使用して当該国へ入国したかどうか」で、その後のアクションがだいぶ変わってきます。当然ながら、カルネを使用した場合はJAFが責任もって介入することになりますし、関税違約金などの支払いも視野に入れる必要が出てきます。
一方、今回のようにカルネを全く使わずに来た場合は、ドライバー自身の責任において合法的に手続きしなければなりません。というわけで、本来は私自身が日本の税関に問い合わせるべきだったのですが、JAFのFさんは無関係であるにも関わらず、親身な対応でわざわざ稚内の税関に電話までして確認してくださいました。感謝です(T_T)
以下に、教わった事を箇条書きにします:
- 日本の税関に対しては何も提出する必要なし。譲渡・売却後に、その事実を電話などによって口頭で税関に伝えるだけでよい。(今回の場合は、出国を管轄した稚内税関)
- 日本に持ち帰る必要がある物は、「1.日本のナンバー2枚」「2.車検証」「3.登録証書」のみ。特に1と2は廃車の際に必要なので必ず持ち帰ること。(3は場合によっては不要かも)
- 車両の名義変更を確実に行い、その証明書を帰国まで大切に保管すること。(万一その車両で事故や違法行為があった場合、自分が無関係である事を証明するために必要となる)
- 国際ナンバーを持ち帰る必要はないが、名義変更後は必ず現地での登録がなされなければならない(現地ナンバーを新たに取得する必要がある)。さもないと、当該国での自動車税の請求が日本に来る恐れがある。
- マリ税関に車両の関税を支払い、納付証明書を取得すること。(マリ側にとっては「輸入」にあたるため、必ず誰かが関税を支払わなければならない。詳しくは後日。。。)
- 契約書類等のサインは、内容をよく読んでから署名し、書類の保管には気をつけること。(当然といえば当然だけど、マリのフランス語の書類を読むのは大変!?)
- 使用しなかったカルネについては、帰国後「預り証」と共にJAFに返却すれば、クレーム処理預かり金3万円が戻ってくる。
。。。というわけで、必要な情報は全て揃いました!
■ 日本の一時輸出許可証とは一体何だったのか?
余談ですが。。。
個人的に、一番驚いたのは冒頭の「日本の税関に対しては何も提出する必要がなく、口頭で連絡すれば良い」という点。だって稚内を出国するとき、繰り返し、念入りに、真面目な顔で「これ一時輸出入許可ですから、必ず車両を日本に持って帰ってください」と約束させられた記憶があります。
あんなにくどく言われた約束を破ったりしたら、始末書かなんか膨大なゴメンナサイ的書類を提出せねばならないかと覚悟していましたが、電話一本でOKって何じゃそりゃ?
ピーターにその話をしたら逆にあきれて 「どうして君の国は税関がそこまで口出しするんだ?君は奴隷ではなく自由市民だろう?君の持ち物をどうするかは君の自由じゃないのか。」
これに対して、私も最初は 「日本はヨーロッパと違っていろいろ輸出に関する法律が厳しいんです」とか知ったかぶりで応戦してたのですが、Fさんから上記の回答を貰ってからは
「。。。本当にあの念押しは一体何だったんだ?」と疑問に思うように。。。
そういえば、これまでいろんな国を通ってきましたが、出国時に「一時輸出入許可」なる仰々しい書類が必要だったのは日本だけ。例えばヨーロッパで登録された車両がヨーロッパを出る時に、自国の税関によって「一時的に出国を認めてやるから、必ずヨーロッパに戻って来い」などと言われる事は絶対にありません。一旦自国を出た車両を自国に持ち帰るかどうかの決定は、車両の所有者による「自由意思」と「責任(リスク)」のもとになされるべきであり、本来税関が口出しする権限はないのです。なんだ、そうだったのか。
というわけで、色々と後始末にビビっていた「一時輸出入許可証」なるものに、思ったほどの強制力がない事が分かりました。良かった良かった、私個人の判断で大丈夫という事ね。
その代わり、車両を売却するにあたり、その責任の全ては私にあるという事です。現在マリには一時輸入許可証(Laissez Passer)によって無税で入国していますが、マリで売却という事になると日本からマリへの輸出 という構図に切り替わります。すると当然ながら、マリ税関に対して関税の支払い義務が発生します。
例えば、もしワゴンRを購入したのが悪い奴でマリ税関にワゴンRの関税を支払わなかった場合、その責は私が負うことになります(関税違約金など)。ですから、売却するなら本当に信頼できる人を見つけなければなりません。
「その件は心配しなくていい。モプティの街にイッサという信頼できるマリ人の友達がいるんだ。もう5年来の付き合いになるが、彼に相談すれば絶対になんとかなる。君が必要だという書類も全て彼と交渉して揃えてあげよう。」
ありがとうピーター。言葉の通じないこの国で、本当に心強いです。