トップタブ(ページ群)

2010年10月4日

モンサンミシェル観光

東京の実家で暮らしていた時、どこでどう手に入れたか分からないのですが、水彩で描かれた綺麗な風景画の絵葉書が気に入ってずっと壁に貼っていました。それはどこまでも続く水平線と、山のような形をした巨大な建築が描かれた、なんともシュールな絵でした。こんな場所がこの世に本当にあるんだろうかと思いながら、何年もの間、毎日のようにその絵葉書を眺めていたのを覚えています。

この奇想天外な風景が本当にフランスに実在しており、モンサンミシェルという修道院であることを知ったのはだいぶ後になってからです。この島は潮の満ち引きの差が非常に激しい浅瀬にあり、満潮の時はすっかり海に囲まれてしまうらしい。そんなヘンテコな場所ならいつか訪れてみたいと思っていましたが、まさか今回のドライブ旅行のルート上にドンピシャで存在していたとは超ラッキー!(いやアンタ、ちゃんと下調べしてから出発しようよ)

というわけで雨が止んだ日を狙って、キャンプ場からモンサンミシェルまでドライブ。途中の道はどこまでも畑が続くのですが、その地平線の果てに初めてモンサンミシェルの姿が見えたときはマジでしびれました。うおおお何年も毎日眺めてきた絵の風景がいま目の前に!

満潮時に浅瀬が水没するような場所にクルマで行けるのか!? とビビりつつ行ったのですが、心配無用。今ではすっかり観光地化されて立派な道路が島まで続いています。しかも手前に観光客用の巨大な駐車場まで有って至れり尽くせり。ちなみに乗用車の駐車料金は1日たった5Euroとリーズナブルで、島の内部は無料で入れます。超有名な世界遺産なのにこの腰の低さ。素晴らしいです。

実際に本物を目の前にすると、その迫力に圧倒されるのはもちろんですが、外壁には戦闘に備えた工夫が随所に凝らしてあり、修道院というよりは要塞?というような印象を受けました。実際、難攻不落の砦としての機能も果たしていたようです。

ちなみに干き潮の時には島の周りに広大な砂浜が現れるので、ガイドに率いられた大勢の観光客が裸足になって干潟を散策していたりします。ただしここは一旦満ち潮になると、あっという間に水没する超危険な場所なのでガイドなしでの干潟歩きは禁止だそうです。実際、島から潮の変わり目を観察しましたが、本当に瞬く間に広大な砂浜が海の底に。。。怖っ!こんな所恐ろしくて一人じゃ歩けないよ。

島に入ると小さな城下町のような賑やかな雰囲気になっており、土産物屋、レストラン、ホテルなどが軒を連ねています。まさか島の内部で泊まったり食事したり出来るなんて思いもよらずビックリ。(なお、島の中央の礼拝所を見学するのは有料で、大人一人8.5Euroでチケットを売ってました。ここは団体ツアーで行ったほうがお得かな)

ついでに言うと、ここモンサンミシェルが今回の旅行で最も日本人観光客の密度が高い場所でした。マジびっくり、どこ歩いてても日本語が聞こえる。でも話し相手がいない私は観光客に声をかける勇気もなくて、懐かしい日本語を背後に聞き流しておりました。。。

ふと見ると、土産物屋の床に日本語のパンフレットが落ちています。思わず拾ってみると目に飛び込んできたのは「大天使ミカエルの聖堂」の文字。えっ、もしかして。。。モンサンミシェル(Mont-Saint-Michel)のミシェルって、大天使ミカエル(Michael)の事だったの?うわー全然気がつかなかった。なんだか今回の旅行はロシアに居た頃からミカエル様とよくご縁があるなあ。いつも旅の無事をお守り頂き有難うございます。

実はモンサンミシェルの中央にある一番高い尖塔のてっぺんには、鎧をまとい剣をかざした大天使ミカエルの勇ましい像が飾られているのです。しかも全身が金箔で覆われています。さすが天使の軍団長ミカエル。しかし、あまりにも高い所においでのミカエル様は肉眼で見るのは大変です。双眼鏡があれば良かったなあ。

いろんな意味で感動したモンサンミシェル訪問でしたが、それにしても。。。東京で毎日眺めていたあの水彩画の絵葉書は差出人も何もなく、一体どうやって私のもとにやってきたのか未だに謎なのです。


にほんブログ村 ひとりごとへにほんブログ村 大陸横断・大陸縦断へ