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2010年11月26日

Ficheについて

西サハラからモーリタニア全土にかけて無数のポリスチェック(PC)があります。検問の目的は怪しい人物を通さない事なので、セキュリティの観点からみると旅行者にとっては非常に有難い事です。

しかし、実際に各PCで停車させられ、パスポートを見せ、必要事項を書き写し、いろいろ質問に答え。。。という作業は、場合によっては軽く20分くらいかかる事もあるので、3回停められたら1時間のロス!?という事も有り得ます。旅行者にとって、これはかなり痛い。

というわけで、西サハラ入りする前に検問をスムーズに進めるためのFiche(フィッシュ)という書類を作っておくのがオススメです。詳細はSahara Overlandのページに紹介されていますが、要するにパスポート情報と車両の情報をあらかじめ紙に記載し、大量にコピーをとっておくのです。実際、PCでポリスが「フィッシュ持ってますか?(Vous avez Fiche?)」と聞いてくる事もあるので、そんな時はFicheを一切れ渡すだけで、スムーズに通してくれます。この仕組みは非常に時間の節約になるので助かります。

7年前はそんな風習は無かったので、最初はFicheをバカにしていた私でしたが、ベテランのドイツ人オーバーランダーが「サハラ越えするならFicheは絶対に作っておいた方がいい」とアドバイスをくれたので、ラバトで慌てて手書きで作成。(普通はWord等で作ってプリントアウトするのですが。。。)。A4の裏紙を半分に折り、左右に必要事項を記入し、たくさんコピーをとって半分にちぎって使いました。

ちなみにFicheはドライバー本人の分だけでなく、同乗者全員についても要求されます。一人でもFicheを持っていない人が乗っていると、その都度、パスポート書き写し等で時間を食うことになります。ですから、単なる同乗者であっても、パスポートのコピーを大量に持っていく方が無難です。(パスポート情報のみのFicheを作っておいても通用します。要するにソレらしい紙があれば良い)

で、Ficheは一体何枚必要か?という問題ですが、ルートによって枚数が変わってきます。。。西サハラからモーリタニア入りして、そのままセネガル国境へ抜けるのであれば、30枚程度で足りると思います。しかし、モーリタニアから直接マリへ行くルートは距離が長いので、結局50枚近く使いました。モーリタニア検問多すぎ!(゚Д゚)

■ポリスチェックの実態について
西サハラのモロッコ人ポリスの検問は非常に紳士的で平和です。でも私が行った時は、必ず職業を聞かれました。ちょうどスペインのTVが西サハラの紛争問題について捏造した内容を放映するという問題があったため、職業で「ジャーナリスト」と答えるのはご法度な時期でした。クルマの中に一眼レフのカメラがあるだけでジャーナリストと疑われた事もあったので、西サハラではPCを通過する度にカメラを隠したりしてましたが、基本的にはFicheがあれば全く問題なし。

一方、モーリタニアのポリス検問ですが、確かに2009年までは非常に評判が悪かったそうです。(HUBB掲示板などを見ると、賄賂を払うまで通してくれなかったり、意味も無く車両の積載物をチェックされたりという話がゴロゴロ出てきます)。しかし、2010に入って大統領が変わってからは、そういった腐れ検問は一掃され、現在は信じられないほどスムーズに通行できるようになっています。実際、モーリタニアでの検問はFicheさえ渡せばほぼノープロブレムでした。これは非常に嬉しい!

こういった最新情報は、頻繁にサハラ越えをしているヨーロッパ人のオーバーランダーから聞くことができます。現地の状況は毎年どんどん変わっていくので、ネットの古い情報よりベテラン旅行者の新鮮な情報のほうが頼りになるかも。

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