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2010年11月30日

砂漠に大雨!ダクラへ

真夜中に土砂降りがあって、朝目覚めたらあたり一面が水浸しで湖みたいな状態に。。。おおお砂漠でもこういう事があるのか。しかしこのあたりの道路は水はけなど全く考慮してないので、あちこちで道路が激しく水没しています。えーん、ワゴンRで水渡りするの怖いよー。

なんとかブージドゥールの水溜りゾーンをクリアできたと思ったら、今度は濃霧で前が見えません。オイオイ、ここ一応サハラ砂漠だよね?濃霧ってどういうこと?なんか信じられない天気なんですけど。。。
海岸沿いとはいえ、この地域がこんなに湿った天気になるとは驚きです。


ところでブージドゥール(Boujdour)からダクラ(Dakhla)までは360kmくらいあるので、途中で給油しなければいけません。出発して150km地点で見つけた小さなGSはガソリン無し。まぢですか!こりゃあヤバイぞと思いつつさらに走ったら、180km地点に立派なGS発見!やっと給油できて一安心。こちらは食堂付き(タジン美味)の大きなGSで、観光バスも休憩に来ています。ここまで来れば確実に給油できるという事ですね。


そこからさらに140km走って、メインロードとダクラの分岐点に到着。ここからダクラ(Dakhla)までの40kmは、西サハラのハイライトと言っても過言ではないほど美しい風景が広がっています。なんか地球離れしてるというか、月面の世界みたい。


驚いたのは、久々に訪れたダクラがいつのまにかカイトサーフィンのメッカに変身していたということです。昔は人影の無かったダクラの湾で、今では大勢のヨーロッパ人がカイトサーフィンを楽しんでいました。何やら、世界大会もここで開かれるほど有名らしい。ついでに言うと、ダクラの街そのものも7年前とは比較にならないほど巨大に発展していてビックリしました。一体何があったんだダクラ!?

■ダクラの有名キャンプ場
ダクラの有名なキャンプ場といえば、何と言ってもCamping Moussafirでしょう。ここは昔からサハラ越えの旅人が集う交差点でした。そして今でも「ダクラで会おう」といえば自動的にこのキャンプ場を指すほどです。ここに泊まるのは殆どがオーバーランダーで、サハラ越えの情報交換には最適。必ず経験豊富なヨーロッパ人旅行者に出会えます。

キャンプ代は一人あたり30DHなのが嬉しい。無料シャワーは水ですが、ダクラまで来れば暖かいので問題ありません。ホットシャワーは有料で10DH。ここは設備がそんなに素晴らしいわけではないのですが、いろんな意味で居心地良いキャンプ場です。オーナーのノルディンは陽気で非常にフレンドリー。ダクラ中心街まで7kmくらい離れていますが、車両があれば買出しには困りません。

Camping Moussafir (Dakhla)
GPS: N23°45.834 W015°54.474
★ダクラといえばココ!な定番キャンプ場。旅人の交差点。

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2010年11月29日

ブージドゥールまで

あてにしてたラーユーン(Laayoune)の街は、T/C両替失敗、ネットカフェ回線遅すぎ。。。等々、ガッカリの連続でした。結局なんだかんだで3時間くらいのロス?唯一の慰めは、ラーユーンの街はずれに西サハラ唯一と思われるスーパーがあって、ロムがヨーグルト等を入手してくれた事かなぁ。

予想外に出発が遅れてしまったので、ひたすらブージドゥール(Boujdour)目指して走ります。なんとか日没までに到着したいので、ちょっと焦り気味。延々と土漠を走り続けます。所々にポリスの検問あり。私はFicheを大量に持っていたので問題無かったのですが、Ficheの事を知らなかったロムはいちいちパスポート情報を控えられていました。「ああ検問面倒くさい。僕もパスポートのコピーを持ちあるく事にする!」

やがて夕方になり、だんだん西日がきつくなってきた頃にやっとブージドゥールの街に到着。ここは昔は本当に小さな集落といった感じだったのですが、7年の間に街は信じられないほど成長し、いまや西サハラの重要な中継地点となっています。2008年には新しいキャンプ場もオープンし、サハラ越えのオーバーランダー達に人気です。

たまたまイタリア人の四駆が2台来ていて、すぐにロムと仲良しに。四駆のドライバーはベテランのオーバーランダーのニコラとカルロ。超~美人のモロッコ人の奥さんと一緒です(この2人の美女は姉妹らしい)。ロム、ニコラ、カルロの3人はしばしイタリア語で情報交換。特に懸案のセネガル国境について、いろいろと質問しているようでした。実はロムは最初、悪名高いロッソ国境を突破する気満々だったので、チキンな私は非常に憂鬱だったのですが、ニコラやカルロの話を聞いているうちに考えが変わってきたようです。。。

ニコラ&カルロの2台は、明日ダクラ(Dakhla)に向けて出発するそうなので、ダクラのキャンプ場で再会しましょうという事になりました。だんだん、オーバーランダーの旅行者に会えるようになってきてイイ感じです!

■ブージドゥールのキャンプ場情報
2008年に出来た唯一のキャンプ場は海側にあり、街の人に聞けば簡単に分かります。キャンプ場そのものは殺風景なのですが、設備はしっかりとしていて、ホットシャワーなども熱いお湯がちゃんと出るのが嬉しい!驚いた事に洗車スペースまであります。しかも、共同で使えるキッチンまで完備されており、料理好きのロムは大喜びでした。

値段は人数に関係なく、一区画65DH(約6Euro)。一人で泊まるには相場よりちょっと高めですが、2人でシェアすればリーズナブルです。こんな時もロムが一緒だと助かります。付近の大通りには店が沢山あるので買い物などにも困りません。ブージドゥールの街全体が新しく、なんだか小奇麗な雰囲気なのもグッド。

Camping Sahara Line (Boujdour)
GPS: N26°07.951 W014°29.674
★ホットシャワーと共同キッチンが嬉しい!オーバーランダー多し。

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西アフリカT/C超使えない件

素敵な砂漠のキャンプ場 Le Roi de Bédouin を後にして、すぐ近くのラーユーン(Laayoune)の街へ。ここは西サハラで最も大きな街です。「ラーユーンに着いたら、銀行でユーロを両替して、ネットカフェでメールをチェックしたいんだ」とロム。それはいい考えかも。私も少しT/Cを両替しておこうかな。。。と思って、早速ラーユーンの銀行に行ったら。。。!

ロムのユーロ現金はさくっと両替できたのに、私が持っていたのはT/Cだったせいで、長い行列でさんざん待たされたあげく「ここではT/C扱ってません、よその銀行行ってください」と追い出され、結局3軒くらいの銀行をハシゴさせられた挙句、最後の銀行で「うちは購入証明がないとT/C両替は無理です」とトドメを刺されてしまいました。サイン入りの購入証明ならあるのに、昔と違ってレシート風に印字されていたせいで信じて貰えなかった。。。やばい、ラーユーンでこの有様だと、この先モーリタニアでのT/C両替は不可能ということか?

実はマラケシュ近辺では全く問題なくT/Cを両替できていたので、ちょっと油断してました。まずい、これは非常にまずい。手持ちのユーロ現金は900ユーロのみ。しまった、ヨーロッパにいる間にT/Cを全部ユーロに換金しておくべきだった。これは賭けですが、T/Cが全く使えないとなると、VISAのATMだけが頼みの綱です。(注:西アフリカでは未だに全くといっていいほどMasterCardが使えません)

※出発時の外貨(T/C含む)の配分についてはこちらのエントリを参照。予想と現実の違いがここに。。。

不幸中の幸いだったのは、手元にVISAのクレジットカードが一枚だけあったこと。実は日本出発時にちょうどカード更新時期だったため、MasterCardだけで日本を出発したのですが、念のため両親に頼んでコペンハーゲンのレイエの所まで新しいVISAカードを郵送して貰っていたのでした。あああ、万一の保険にお願いしておいて良かった。一応ロンプラには最近モーリタニアにもVISAのATMが設置されたと書いてあるので、これを信じて行くしかない。

銀行たらい回しに待ちくたびれたロムがあきれ顔で「そもそもT/Cそのものが時代遅れだっていうのに、君はなんで西アフリカにT/Cなんか持ってきたのさ。発展途上国ではユーロ現金が一番だよ」。。。ハイ、仰る通り。。。

T/Cの利点は盗難・紛失に強い事だと言われていますが、盗難リスクにビビるあまり換金できないT/Cを持ち歩くほどアホな事はありません。というわけでこれから西アフリカ行くひとは、がっつりユーロ現金を用意しておいた方が無難です。特にクルマ旅行者はバックパッカーと違って燃料代がバカにならないので、念のため2000~3000ユーロほどの現金があったほうが安心かも。

ああ~、前回も西アフリカでT/C両替に苦労したのに、どうして同じミスをやらかしたんだろう。超凹みまくりです。。。orz

※結論から言うと、ヌアクショットの銀行にピカピカのVISAのATMがあり、無事に現地通貨の引き出しに成功しました。VISAカードあって助かった~。未確認ですがなんとヌアディブにもATMがあるようです。また、マリの田舎のカイにもATMを2軒ほど見かけてビックリしました。以前は首都クラスの街にしか無かったATMですが、西アフリカにも少しずつVISAのATMが普及してきているようです。

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2010年11月28日

ベドウィンの王様

朝、ロムの自転車をワゴンRのキャリアに積んで(ぴったりでした)、フランス人マダムにさよならを言って、タンタン・プラージュを出発。マダム情報によると、ここから約80km先の地点に大きなGSがあるとのこと。地図には載ってないGSですが、マダムを信じて行ったら本当に立派なGSがありました!しかも西サハラはガソリンが無税(?)なお陰でモロッコより安い!(6.5DH/L等)

満タンなのをいいことに調子に乗って走っていたら、「君どこまで走るつもり?タルファヤで昼食にしよう、お腹すいたよ」とロム。おお、そうでした。こちらは食欲がイマイチなため、いつストップしていつ食事すべきか全然計画が立てられず「気がついたら電池切れ」という問題がずっと続いていました。ロムと一緒なら、ちゃんと朝・昼・晩と規則正しい食事ができそうです。ありがとう。

タルファヤ(Tarfaya)の街に寄り道した時、英語ペラペラの青年がロムに近づいてきて、いろいろ親切に安食堂へ案内してくれたりしました。だけどこの青年、なぜか怖いことばかり言って我々を引き止めようとするのです。「今モーリタニア行くなんて自殺行為だよ!先日、モーリタニアの幹線道路で拉致されたフランス人2人が銃殺されたばかりだよ。僕ならそんな恐ろしい所絶対に行かないね。今晩どこ泊まるの?ラーユーンの砂漠のキャンプ場?ああ、そこなら経営者変わってすごい値上がりしてるよ。70DHはするんじゃない?僕の家に泊まればタダなのに、どうしてそんな高いキャンプ場に行くの。うちにおいでよ。美味しい料理をご馳走するよ」。。。etc

青年の生々しい話にビビった私はすっかりヤル気消失。私は少々高くてもキャンプ場に泊まるつもりでしたが、自転車のロムは低予算でキャンプ場には興味なさげ。彼はよく地元の村などでタダ泊しているそうなので、いちおう海岸沿いの青年の家とやらを見てみることにしました。ところが行ってみると、タルファヤの街で見かけた目つきの悪い輩が先回りして我々を待ち構えているのを発見!

ロムは顔色を変えて「何で僕らがここに来る事が他の奴に知れてるんだ。こりゃダメだ、逃げよう」

ビビリの私はもうドキドキ。この出来事をどう解釈してよいか分からないままワゴンRを方向転換し、ひたすらラーユーン(Laayoune)方面を目指して走ります。ロムは時々うしろを振り返り、怪しい車が追ってこないかどうか度々確認していました。(大丈夫でした)

■ラーユーン付近のおすすめキャンプ場
私が元々行く予定だったのは、ラーユーン付近(Dawraの集落から4kmほど南)に昔からあるワイルドな砂漠のキャンプ場、Camping Le Roi de Bédouin (ベドウィンの王様)です。ベルギー人夫婦が経営しており、舗装路から逸れて4.5kmほどのピストを走った所にあります。(ピストに砂はなく、ワゴンRでも問題なく走れます)

実は7年前に偶然このキャンプ場を訪れ、この世のものとは思えない風景に感動。付近には小さな滝もあります。何もない砂漠のど真ん中に、ソーラー発電、洋式トイレにホットシャワーまであるというのは驚きです。ただし、ここの水は塩っぽいので、飲み水は持参したほうがベター。大きな天幕の中には居心地よいレストランがあり、冷えたジュースなどが注文できます。もちろん食事も出来ますが価格はちょっと高め。


こんな夢みたいな場所で、キャンプ代は一人いくらかというとたった30DHでした(7年前は25DH)。タルファヤ青年の「70DHに値上げ説」は嘘だったことになります。だけど彼が言った中で本当だったのは、経営者が交代するという事でした。ここは元々ベルギー人のLuc夫妻が長年かけて築いてきた施設ですが、そろそろ経営を退くとのこと。2010年からは、ベルギー人の実業家(これまたLucという名前)が経営を引き継ぐことになります。私が行った時、ちょうど元祖Luc夫妻と新Luc夫妻が居たので、両方にご挨拶することができました。再会できて嬉しかった!


Camping Le Roi de Bédouin
看板の場所:N27°26.435 W13°01.373
キャンプ場: N27°27.698 W013°03.110 (ピスト4.5km)
Web: http://www.camp-bedouin-maroc.com/
※Dawraの集落から4kmほど南の路上にキャンプ場の看板あり。しまったピスト4.5kmを、案内に沿って進む。
★とにかくこのキャンプ場は必見!時間に余裕ある人は岩山までトレッキングも可能。


■モーリタニアの治安は?
ところでタルファヤ青年の言うとおり、モーリタニアで本当にフランス人旅行者2人が誘拐殺害されたのでしょうか?Luc達に聞いてみました。
「はて?モーリタニアで誘拐?毎日ラジオで西アフリカ情報を聞いてるけど、そんな話は無かったな。ここには毎日サハラ越えの旅行者が集まるけど、みんな安全に行き来してるよ。モーリタニア全然心配ないよ」

うーん、あのタルファヤ青年、嘘ばっかじゃん。。。一体何が目的だったのか。。。

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2010年11月27日

自転車旅行者のロム

困った事に、スペイン以来原因不明の食欲不振が長引いており、お腹に力が入りません。特に午前中が全然ダメで、ヨーグルトやバナナを食べるのがやっとという感じ。これから先はサハラ砂漠だというのに、こんなヨレヨレの状態で一人で突入したら、どこかで貧血で立ち往生しそうでヤバイなぁとずっと思っていました。

サハラ越えだけでも一緒に行ってくれる旅行者がいないかとずっと探していたのですが、結局ここまで誰にも会わず。うーん、これから無給油区間の距離がどんどん長くなるというのに、これはマズイ。

。。。と思っていたら、タンタン・プラージュの宿に自転車旅行者が一人やってきました。「やあこんにちは。僕の名前はロムロ・ピツィカ。ロムって呼んで。君のことはラバトのモーリタニア大使館で見かけたよ。こんな所で会うとは不思議だね」。。。という彼はベネズエラ生まれのイタリア人で45歳。かれこれ10年くらい世界各国を旅しているベテランのサイクリストでした。

「参ったよ、昨日からずっとひどい向かい風。ちっとも進めない。今晩はここに泊まって、風の様子をみるよ。」「ふうん、そうだったの。自転車だと大変ね。。。」などと他愛もない話をしていたのですが。。。

んん?まてよ、同じ日にモーリタニア大使館に居たという事は、ビザが切れる期限も私と同じ12月18日という事?私はクルマだからいいけど、ロムは期限までに自転車でモーリタニアを抜けられるんだろうか?もしかして彼の方が急ぎなのでは?

「あのう、私ちょっと一人でサハラ越えする自信がないので、一緒に行ってくれる人を探してるんだけど。。。よかったらワゴンRに自転車を積んで、一緒に行かない?」と、思わずお誘いしてみる私。「本当?それは助かるなあ。実はクリスマスまでにマリに行きたいんだ。明日、うまく自転車が積めるかどうかやってみよう」

。。。というわけで、無事にサハラ越え仲間をゲット!しかもイタリア系のロムは料理が大の得意。「え?食欲がない?そりゃダメだよ。旅行は身体が資本だよ。食べなきゃ始まらないよ。とりあえずイタリア風のトマトサラダでもどうだい?」と彼が振舞ってくれたサラダは本当に美味しかったです。よかった、彼と一緒なら食事のペースがコントロールできそう。

はー、なんか知らないけど助かった。これも何かの縁でしょうか。こういう時にベテラン旅行者の男性が一緒だと心強いです。本当にいつも、自分ひとりでどうしようもなくなった時に、必ず誰か助けてくれる人が現れるんだなあ。


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2010年11月26日

Ficheについて

西サハラからモーリタニア全土にかけて無数のポリスチェック(PC)があります。検問の目的は怪しい人物を通さない事なので、セキュリティの観点からみると旅行者にとっては非常に有難い事です。

しかし、実際に各PCで停車させられ、パスポートを見せ、必要事項を書き写し、いろいろ質問に答え。。。という作業は、場合によっては軽く20分くらいかかる事もあるので、3回停められたら1時間のロス!?という事も有り得ます。旅行者にとって、これはかなり痛い。

というわけで、西サハラ入りする前に検問をスムーズに進めるためのFiche(フィッシュ)という書類を作っておくのがオススメです。詳細はSahara Overlandのページに紹介されていますが、要するにパスポート情報と車両の情報をあらかじめ紙に記載し、大量にコピーをとっておくのです。実際、PCでポリスが「フィッシュ持ってますか?(Vous avez Fiche?)」と聞いてくる事もあるので、そんな時はFicheを一切れ渡すだけで、スムーズに通してくれます。この仕組みは非常に時間の節約になるので助かります。

7年前はそんな風習は無かったので、最初はFicheをバカにしていた私でしたが、ベテランのドイツ人オーバーランダーが「サハラ越えするならFicheは絶対に作っておいた方がいい」とアドバイスをくれたので、ラバトで慌てて手書きで作成。(普通はWord等で作ってプリントアウトするのですが。。。)。A4の裏紙を半分に折り、左右に必要事項を記入し、たくさんコピーをとって半分にちぎって使いました。

ちなみにFicheはドライバー本人の分だけでなく、同乗者全員についても要求されます。一人でもFicheを持っていない人が乗っていると、その都度、パスポート書き写し等で時間を食うことになります。ですから、単なる同乗者であっても、パスポートのコピーを大量に持っていく方が無難です。(パスポート情報のみのFicheを作っておいても通用します。要するにソレらしい紙があれば良い)

で、Ficheは一体何枚必要か?という問題ですが、ルートによって枚数が変わってきます。。。西サハラからモーリタニア入りして、そのままセネガル国境へ抜けるのであれば、30枚程度で足りると思います。しかし、モーリタニアから直接マリへ行くルートは距離が長いので、結局50枚近く使いました。モーリタニア検問多すぎ!(゚Д゚)

■ポリスチェックの実態について
西サハラのモロッコ人ポリスの検問は非常に紳士的で平和です。でも私が行った時は、必ず職業を聞かれました。ちょうどスペインのTVが西サハラの紛争問題について捏造した内容を放映するという問題があったため、職業で「ジャーナリスト」と答えるのはご法度な時期でした。クルマの中に一眼レフのカメラがあるだけでジャーナリストと疑われた事もあったので、西サハラではPCを通過する度にカメラを隠したりしてましたが、基本的にはFicheがあれば全く問題なし。

一方、モーリタニアのポリス検問ですが、確かに2009年までは非常に評判が悪かったそうです。(HUBB掲示板などを見ると、賄賂を払うまで通してくれなかったり、意味も無く車両の積載物をチェックされたりという話がゴロゴロ出てきます)。しかし、2010に入って大統領が変わってからは、そういった腐れ検問は一掃され、現在は信じられないほどスムーズに通行できるようになっています。実際、モーリタニアでの検問はFicheさえ渡せばほぼノープロブレムでした。これは非常に嬉しい!

こういった最新情報は、頻繁にサハラ越えをしているヨーロッパ人のオーバーランダーから聞くことができます。現地の状況は毎年どんどん変わっていくので、ネットの古い情報よりベテラン旅行者の新鮮な情報のほうが頼りになるかも。

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タンタン・プラージュ

イフニのキャンプ場を出発して約220km離れたタンタン(Tan Tan)を目指します。ここはちょうど西サハラの境界線の付近で、イフニの町を出るとき初めてポリスの検問がありました。(ここから先、町ごとに多くの検問所ありますがモロッコのポリスは平和に通してくれます)

この先の西サハラの土地は未だに領有国が確定しておらず、正確にはモロッコと呼べないかもしれません。しかし実質的にはモロッコが資金を投じて開発を進めており、現在はモロッコの統治下にあると言って良いと思います。一方で、独立を望むポリサリオ、油田が欲しいスペイン、港が欲しいアルジェリアなど、様々な思惑によって緊張下にある土地である事も事実です。(もちろん旅行には問題ありません)

そんな西サハラに近づくにつれ一気にワイルドで荒涼とした雰囲気に。。。イフニから内陸のグエルミン(Guelmim)まで行って給油したのち、久々にメインロードに戻りました。ここから先は本気で何もない土漠が延々と続きます。しかも土砂降りのあと強風が吹き荒れて、土ぼこりで空は真っ暗。道中、村も何もありません。うわーん、こんな所で何かあったらお手上げだよー。。。。と、初の土漠の荒々しい洗礼にいきなりビビリまくりの私。いや、とりあえずタンタンまでは行こう。たかだか220km程度の距離でビビってどうする。

実はタンタンと呼ばれる町は二つあります。ひとつは内陸のタンタン(Tan Tan)、もうひとつは25km離れた海岸沿いのタンタン・プラージュ(Tan Tan Plage)。こちらは新しいミシュランマップではエル・ワティア(El Ouatia)と表示されていますが、未だにタンタン・プラージュと呼ばれる事が多いです。

まず到着したのはタンタンの街。入り口に2頭の巨大なラクダの像がある事で有名ですが、7年ぶりに訪れてみたら。。。おおお!なんかラクダの像がリアルなバージョン(しかも白い)に生まれ変わっててビックリ!なんだなんだ、昔のブロック作りみたいなラクダも悪くなかったのに、一体何があったんだ。しかも街がなんか真新しい雰囲気になってるし。

だけど、とりあえずタンタンはスルーして、タンタン・プラージュ(エル・ワティア)まで一気走り。ここに新しいキャンプ場があるらしいのでGPSを頼りに行ってみたら、思いっきり街の入り口に見つかりました。おお、一見まるでレストランのような雰囲気ですが。。。着くなり、フランス人のマダムと地元のスタッフ達が出迎えてくれました。なんかイイ感じ!

■タンタン・プラージュのキャンプ場情報
このキャンプ場(部屋もあり)はおすすめ!名前は Camping Restaurant des 2 Chameaux (2頭のラクダ)といいます。フランス人のマダムを筆頭とした家族経営のレストランで、建物の中には宿泊用の部屋があり、裏には広いキャンプ場あり。嬉しいのはレストランの中に併設されているモロッコ式の広いリビングで、日中ゆったりくつろいで過ごす事が出来るのがとても有難い!初めての土漠ドライブの後はオアシスのように感じられます。

車中泊は45DHとリーズナブルで、ちゃんと暖かいホットシャワーが出るのも素敵。WiFiはありませんが、私が行った時はマダムが無料でMaroc TelecomのUSBモデムを貸してくれて本当に嬉しかったです!(あくまで彼女の好意です。キャンプ場としてのサービスには含まれていません)。PC用の電源も、リビングで自由に使わせて貰えて助かりました。


レストランの食事はちょっと高級ですが、ちょうど食欲もイマイチだったし、ハリラ(豆スープ)30DHから注文できるのでピッタリ。夜になると地元の名士達(?)がステーキを食べに来ていたりして繁盛していました。安くはないけど、タジンなんかも注文することができます。ああ、ここならしばらくのんびりしてもいいかなあ。。。

Camping Restaurant des 2 Chameaux (El Ouatia)
GPS: N28°29.085 W011°19.297
Web: http://www.aaubergecampingdes2chameaux.com
★とても雰囲気良く、くつろげます。シャワー等の設備もナイス。

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2010年11月25日

海沿いのイフニ再訪

標高1000mのタフラウートの朝は5℃。うひー、予想通りの寒さ。実はタフラウートへの道中でノド風邪をひいてしまったので、しばらく横になって様子を見ることにしました。もう一泊すべきかどうか迷っていたのですが、昼ごろになってやっと行けそうな気がしてきたのでちょっと遅めの出発です。

しかし午後に出発するにしても110km先のティズニット(Tiznit)は微妙に近すぎる。。。海沿いのイフニ(Sidi Ifni)まで走るのが妥当のように思われました。というわけでエンヤコラと断崖絶壁の山道を一気に下ります。途中これまた絶景が広がっているのがこのルートの嬉しいところです。

途中ティズニットを経由して一路イフニへ。しかし道はフラットではなく、緑に覆われた小高い丘に沿ったワインディングを越えていきます。海沿いはこんなに青々としているなんて不思議。タフラウートの赤く乾燥した山岳地帯とは全く違った風景です。

それにしてもこの地域もなんだか昔より観光地っぽくなった気がする。。。以前は何も無かった所に町やキャンプ場が出来ていたり、イフニの手前ではパラグライダーが5機ほど飛んでいてビックリ。わざわざこんな所まで来て飛ぶなんてヨーロッパ人凄すぎ。

でもってイフニはどうなっていたかというと、案の定、昔よりデカイ町に変身していました。まず、以前は1軒しか無かったキャンプ場が3軒に増えていて、しかも全て無料WiFiが使えるというから驚きです。ただ、地元のモロッコ人があまりWiFiを必要としているようには見えず、やはりヨーロッパ人旅行者のニーズを満たす為の投資なのかなぁ?と思ったり。

■イフニのキャンプ場情報
今回は一番最初に見つけたCamping Solymarに泊まりました。すぐ近くにもう2軒あるので、じっくり選びたい人は歩いて比較してみると良いかも。(ちなみに7年前に泊まったキャンプ場は一番ビーチに近い所にありました。以前は設備がいろいろイマイチだった気がするのですが、現在ではなんだかホテルやらレストランまで営業していて老舗っぽい雰囲気)

参考までに、Camping Solymarのスペックを紹介します。キャンピングカー+2名まで、ホットシャワー込みで50DHとの事ですが、ここのホットシャワーというのは、水の事を指すらしい?すげー寒かったよ!でも、わざわざ洋式トイレを設置したり、無料WiFiを設置したり、彼らなりに頑張っているので文句を言ってはいけない気がします。グッジョブ。

Camping Solymar
住所:Boulevard Alhoria, Sidi Ifni
GPS: N29°23.059 W010°10.271
★ここがモロッコでWiFi使える最後のキャンプ場でした。

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2010年11月24日

タフラウート再訪

ちょっと遠回りなので迷いましたが、やっぱりタフラウート(Tafraoute)を再訪することに決定。前回モロッコに来てスゴイと思った山岳地帯で、最高地点は標高1500mにもなります。アガディールからタフラウートまでの距離は約160km。そこからTiznitまで全ルート舗装されているので問題なくドライブできますが、所々ガードレールの無い崖っぷちを走ったりするのでスリリング。延々と細いワインディングが続くのであまりスピードは出せません。アガディールからタフラウートまでは僅か160kmとはいえ、1日かかると思ったほうが良いです。

高度が上がるにつれ、乾燥した山岳地帯の雄大な谷間を臨む素晴らしい絶景が続きます。道中、ところどころ岩肌の中腹に集落が見えたりするのですが、周囲に水はなさそうだし、一体どうやって生活しているのか全然見当がつきません。どうしてこんな荒涼とした所に人が住むようになったのか不思議。また、大昔の要塞のような廃墟なども見ることができ、非常に興味深いエリアです。


実はちょっと体調を崩してノド風邪気味だったのですが、あえて寄り道できてちょっと満足。本当はタフラウートを素通りして海岸沿いのイフニ(Sidi Ifni)あたりまで行けるかな?などと無茶な計画をたてていましたがやっぱり無理でした。タフラウートに到着した頃はすでに夕方で、着くなりベルベルじゅうたん屋のお兄さんにつかまってさらに時間をロス。やっと脱出してどうしようかと思っていたところ、町はずれにピカピカの新しいキャンプ場を発見!しかも無料WiFiって書いてある!泊まるしかない!


■タフラウートのキャンプ場情報
タフラウートは観光地なので周辺に何箇所かキャンプ場があるのですが、WiFiが使えるのは新しいキャンプ場のみ。そのひとつCamping Granite Rose は中心街から2kmほど郊外ですが、設備が良くおすすめです。

値段ですが、クルマ+1名の車中泊で25DHと非常に安くてビックリ。綺麗な洋式トイレに水シャワー(湯シャワーは10DH)、洗濯機あり(30DH)、電源あり(20DH)。レセプション付近で無料WiFiが使えます。まさかこんな山奥でネット使えるとは。。。。

付近に食堂はありませんが、事前に頼めば管理人のオマルが特製タジンを作ってくれます。値段を聞いたら70DHだそうで、キャンプ代とのギャップに驚きましたが、写真を見て納得。たぶん彼の肉タジンがモロッコで一番ゴージャスかも。。。(しかもデカイ。軽く2人前以上の量です)


残念ながら体調がイマイチだった私はそんな豪華な食事は無理だったので、交渉して30DHで野菜タジンを作って貰うことにしました。そしたらオマルが持ってきたのは食べきれないほどの巨大な野菜タジン!!! 値段以上の価値で非常に美味しかったのです。お腹一杯になりすぎて動けなくなり、ネット接続どころではなくなってしまいましたが。。。

Camping Granite Rose
住所:Route Tiznit prés de Centre Ville
GPS: N 29°43.041 W008°59.087
★無料WiFi、設備グッド!特製タジンもおすすめ。

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2010年11月23日

アガディールまでの道

2日連続でフナ広場のスークを楽しむことができて満足!いよいよマラケシュともお別れです。約250kmの有料の高速道路を使って、マラケシュからアガディール(Agadir)までワープしました。途中、山岳地帯を抜けるので素敵な風景を楽しめます。

この高速道、マラケシュから60km地点に大きなGSがありますが、その次のGSはなんと150km先らしい。またか~。遠いなあ。まあいいや、そこに着いたら休憩しよう。。。と思って行ってみたら思いっきり工事中で停車すらできず。。。。うーん、モロッコの高速道路って全部こんな感じなのか。
というわけで、マラケシュ~アガディール間は無給油。高速料金は66DH(約6Euro)でした。

アガディール再訪でビックリしたのは「なんか街がデカくなっている」という事。。。記憶を頼りにキャンプ場を探すのですが、街全体の雰囲気が全然変わっていて迷いまくりです。ていうか昔はアガディールにマクドナルドなんて無かったよ!GARMIN様にOSMデータが入っていたお陰で、なんとか現在地を把握でき助かりました。ポリスに道を聞いたりして、やっとキャンプ場発見。


■アガディールのキャンプ場情報
アガディール唯一のキャンプ場は古くて設備がイマイチで別にビーチに近いわけでもないのですが、なぜか昔からフランス人のお年寄りキャラバンに大人気。今回も行ったら多くのリッチなキャンピングカーで溢れていました。公共設備は古びたアラブ式トイレに水シャワーのみ。ネット環境はありません。クルマ+1名の車中泊で44DH(約4Euro)という安さが救い?

余談ですが、どうしてこんなショボい設備のキャンプ場にフランス人が集うかというと、リッチな彼らは水道と電源以外さえあれば、それ以外の設備は必要ないからです。なんとなれば自分のキャンピングカーにトイレもホットシャワーも付いてるし、現地でUSBモデムを買ってPCに挿せばインターネットも出来るので。彼らはそうやって温暖なアガディールでクリスマスシーズンを過ごしています。(親切なミシェルおじさんにホットシャワーを使わせて貰いました。感謝!)

Camping International Agadir
住所:Ave. Mohammed V (看板なし。塀で囲まれている)
GPS: N30°25.480 W009°36.488
★車中泊44DH~、水シャワー、ネット設備なし

■モロッコ最後のスーパーで無料WiFi!
現在アガディールは何となく高級リゾート(?)を目指している雰囲気があり、キャンプ場の近くには残念ながら市場も安食堂もありません。しかし嬉しいことに、ここには複合スーパーMarjane(マルジャン)があります。おそらくこれがモロッコ最後のショッピングモールなので、サハラ越えの前にぜひ訪れる事をおすすめします。

このMarjaneはキャンプ場から5kmほど離れているので、クルマかバイクがあればベスト。立派なGSもあるので給油にも便利です。見たらファストフード店舗(Marjana Lunch)まで入っているので思わずハンバーガーを注文(18DH)。あまり安くはないけど、なんとここでは無料WiFiが使えます!早速PCを持ち込んでネット接続。うーん、アガディールの発展すごいなあ。

※MarjaneのGPSロケーションは N30°23.704 W009°34.900 (あまりにも巨大なのでメインロードを走っていれば必ず見えます)

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