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2010年10月30日

ガウディ建築めぐり

せっかくバルセロナに来たのだから、ガウディ建築を見なければ!ってことで、キャンプ場から電車(RENFE)に乗って中心街のBarcelona Catalunya駅へ。バルセロナの素敵なのは、この駅から歩いていける範囲にガウディ建築の見所が沢山あることです。まずは観光マップ片手に街の象徴、サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)へ。。。

7年前にも訪れたサグラダ・ファミリアですが、未だに建設中でした。約120年前に着工したらしいですが、ガウディの死後もなお建設が続いているという壮大なスケールの教会です。完成は2026年だとか2250年だとか言われていて、要するにいつ完成するか誰も知らないらしい。しかもちゃんとした設計図が残っているわけではなく、後世の建築家たちが僅かな資料をもとに手探りで築き上げてきたそうです。

というわけで、世界遺産でありながら未だに建設用の足場とクレーンが風景の一部として認知されているサグラダ・ファミリア。見ればその美しいデザインと壮大な計画に圧倒されます。これはきっと、永遠に作りかけなのが良いのかも知れません。(^-^)

次に訪れたのは、街の北側の丘にあるグエル公園(Park Güell)。ウヒーな坂道をひたすら登り続けると、そこにはガウディの不思議ワールドが。。。大体、入り口の建物からして何か違う空気が漂っています。そして正面の階段には、超有名なトカゲの噴水があり、大勢の観光客で大賑わいです。

さらに上に登ってゆくと、有機的なデザインの回廊を経て、バルセロナの街を一望できる大広場へ。もちろん隅々までガウディの独特の建築スタイルで貫かれており、公園自体に生き物のような温もりが感じられるのが魅力です。公園の縁には曲線美が素晴らしいカラフルなタイル張りのベンチが続き、くつろぐ人々がアートの一部になっていて素敵。ここはずっと過ごしていても飽きません。

個人的にはこのグエル公園がバルセロナで一番のお気に入りスポットかも。(ただ、グエル公園は広いので、その魅力は写真では分かりづらいかも知れません)

ここでは露天のみやげ物屋や音楽家や大道芸人たちが様々なパフォーマンスを繰り広げており活気に溢れています。こんな楽しい公園が無料で公開されてるなんてバルセロナ太っ腹~!

有名なガウディ建築としては他にもカサ・バトリョ(Casa Batlló)などがあります。にょろ~んとした外観の建物はカラフルに装飾してあって、今にも心臓の鼓動が聞こえてきそうなほど生命感のあるデザインです。すぐ近くにはカサ・ミラと呼ばれる建築もあり、こちらも有り得ないほど波打った外壁に目を奪われる事まちがいなし。とにかくバルセロナにはガウディの足跡が溢れているのです。


ガウディ建築の魅力はフツーな所がひとつもないからではないかと思います。見慣れた様式の建物であれば頭の中で適当にカテゴライズして済ませる事ができますが、ガウディの建築は隅々まで見たことの無いようなデザインが貫かれているため、見る人の言葉を失わせる力を持っているのではないかと。。。

久々に活気溢れるバルセロナの名所を巡ることが出来て満足の一日でした。

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2010年10月29日

バルセロナのキャンプ場

バルセロナに来るのは前回のバイク旅行以来2度目です。ただ、前回は原付バイクだったのでバルセロナ中心街の安宿に泊まったり出来たのですが、今回はクルマなので駐車場代を考えると中心街に泊まるのはチョット。。。という訳で、またもや郊外のキャンプ場を利用して、電車でバルセロナ観光をすることにしました。

郊外にキャンプ場は何箇所かあるのですが、中には10月末で閉まってしまう所も。。。というわけで通年オープンしているのはCamping Masnouのみ。なかなか素晴らしいロケーションで、レセプション付近のテラスから地中海が目の前に見えたりします。気分はプチリゾート?

料金は乗用車+大人1名の車中泊で一泊14Euroでした。しかも最寄りのエル・マスノウ(El Masnou)駅まで徒歩400mという近さ。電車(RENFE)でバルセロナ中心街のサンツ(Barcelona Sants)駅まで片道1.60Euroと非常にリーズナブルです(所要時間25分)。バルセロナの観光地図はレセプションで貰えるので心配ありません。

このキャンプ場で嬉しいのは、レセプション付近のテラスで無料WiFiが使える事です。電波の強度も十分。地中海を眺めながらネット接続できるのは個人的にポイント高し!(付近に電源がないのが残念ですが) あと、シャワーがすごく暖かかったのが印象的でした。バルセロナ観光の拠点にオススメのキャンプ場です。

Camping Masnou (通年OPEN)
住所: Carretera N-II km 633, Camil Fabra 33, 08320 El Masnou
Web: http://www.campingmasnou.com.es/
GPS: N41°28.518 E002°18.267

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2010年10月28日

バルセロナまでのまとめ

■10/27 モンペリエ~ベジエ(Béziers)付近 [約70km]
モンペリエのキャンプ場からWiFi接続で日本にSkype電話したりして朝ゆっくり過ごし、いよいよスペインへ向けて出発!

そろそろオイル交換の事を考えなければならないので、近所の巨大カルフールに買い物に行ってShell HELIX ULTRA 5W-40を2本(4L)買い足し。。。ていうかロシアではオイルとフィルターを持参して交換して貰ったりしてたけど、ヨーロッパでそこまで準備する必要あるのだろうか。まあ、備えあれば憂いなしと言うので、一応オイルを持ち運ぶことに。

モンペリエからベジエ(Béziers)までは久々に無料ハイウェイが使えたので、広い2車線の道路で快適にドライブできました。途中4時ごろ、ベジエ付近に無料のトイレ付きパーキング発見!おお~、最近ずっと有料道路のパーキングばかりだったのでこれは嬉しい。100kmも走ってないけれど、この日はここで車中泊です。

■10/28 ペルピニャン~スペイン国境~フィゲレス(Figueres)付近 [約210km]
なんだかんだで1ヵ月近く滞在したフランスともそろそろお別れ。ベジエ以南の海岸沿いのローカル道(D6009)は準ハイウェイみたいな感じで非常に走りやすかったです。ペルピニャン(Perpignan)のカルフールでフランス最後のショッピングを済ませたのち、車中泊のため有料ハイウェイA9に乗り換え。

国境付近のハイウェイは面白い仕組みになっていて、フランス最後のICからハイウェイに乗るとき、フランス側の料金を精算します(たった60¢)。そしてハイウェイに乗ったまま国境を超え、スペインに入るともう一度ゲートがあって、スペイン側の有料道のチケットを受け取る仕組みです。
私はパーキング目当てで有料道に乗ったのですが、同じハイウェイでも国が変わるとパーキングの形態が全然違う!スペインのパーキングはどこも24h営業のGSとレストラン併設の大規模なもので、中にはホテルまで併設されているものも。。。意外とゴージャスだなあスペイン。

ただ、屋内のレストラン・ショップ内の立派なトイレが使えるのは嬉しいのですが、洗い物はちょっと気が引けます(^^;) というわけで、ロシア以来久々に車内で皿洗いしました。(フランスの「どうぞご自由に」的なパーキングがちょっと懐かしい。)というわけで、フィゲレス(Figueres)付近のパーキングで車中泊。

■10/29 フィゲレス~バルセロナ(Barcelona)付近 [約120km]
いつものごとく、出発してすぐに有料道を降りたら料金は2区間で3.85Euro。フランスとあまり変わらない料金設定にちょっと安心。それよりビックリしたのが、スペインのガソリン代がメチャクチャ安いことです。フランスでは高い所でリッター1.47Euroくらいしてた"95"が、スペインでは1.11Euroとか。。。どーなってんの!?

そして地中海を南下するにつれ、だんだん暖かくなってきました。ていうか暑い!日中30℃超で、もはや上着なんて要らない状態。うーん、極端だなあ。やがて、バルセロナ郊外のエル・マスノウ(El Masnou)に到着し、久々にキャンプ場にチェックイン。しかし到着したのが丁度シエスタの時間で、受付では英語の通じない掃除のおばちゃんが留守番してました。でもって何故か私のワゴンRを見てキャンピングカーと勘違いしたらしく、一泊の料金を21Euroとか書いてるし!

オイオイ頼むよ、こんな田舎でパリより高いのは困る。しかもどこをどう見たらこれがキャンピングカーに見えるんじゃ。(後になって、やっと受付に英語できるお兄さんが来て、料金を14Euroに直してくれました。よかったよかった)

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2010年10月26日

欧州クルマ旅で自炊モード

このへんで、ヨーロッパ旅行中にどんな風に自炊していたかをまとめてみたいと思います。キャンプ用のガスボンベを2本ほど持参していたので、ヨーロッパ入りしてからはほぼ毎日バーナー自炊です。特にスイス周辺では気温が一ケタという事も珍しくなかったため、ついに完全車内自炊する方法を編み出したりして、ますますワゴンRのマイホーム化に拍車がかかっていたりします。。。

もちろん、欧州ならではの美味しい郷土料理を味わうのも旅の醍醐味かと思いますが、一般的にヨーロッパでの外食はちょっと高いです。特にロシアから北欧から入った人は、サンドイッチが1000円近くするのを見て鼻血ブーとなり、ごく自然に自炊モードに移行できるのではないかと。。。?ちなみにスーパーの食材は割と安く手に入るので心配ありません。

主食は基本的にパンです。国によってパンの種類が大きく異なるので、ヨーロッパ旅行中にはいろんな種類のパンを食べ比べることになると思います。日本で売っているような食パンも手に入りますが、個人的にはベルギー以南で手に入るバゲットやデジュネット(要するにフランスパン)がお気に入りでした。焼きたてのホカホカパンは非常に美味しくておかず不要なほどですが、通常はジャムやチョコクリームを塗ったり、サラミをスライスしたものを添えて食べたりしています。他にもチーズ類とか、オイルサーディンと一緒に食べても美味しいです。

あと、国によって形態は異なりますが、必ず乾燥パンの類が手に入ります。北欧ではwasaブランドとして知られる平べったいクラッカー状だったり、オランダではビスコットと呼ばれる円形のものだったりといろいろです。長期保存が利くので、小腹がすいたときにペースト類を載せて食べると美味しいおやつになります。

生野菜で重宝しているのがトマト。適当にスライスしてドレッシングをかけるだけで、うっま~!なお手軽サラダを楽しんでいます。(もちろんロシアでミーハ達とキャンプしてた頃はもっと本格的にトマト、きゅうり、タマネギをみじん切りにして油と塩で和え、香りつけにディルを添えたりして超素敵なサラダを作っていたのですが、一人で旅してる時はなかなかそこまで手間をかける気にならず。。。)

ただ、トマトは気をつけて管理しないと潰れて大変なことになるので、ネットに入れて天井のフックから吊るしたりしています。他にも、ニンジンを生でかじると甘くて美味しいですし、リンゴや洋ナシなど日持ちのするフルーツもお気に入りでした。ちょっとクルマを止めて休憩中にリンゴの皮をむいたりすると気分転換にもなってグッド。

夕方にパーキングを探して車中泊する場所を決めたら、野菜スープを作ります。タマネギ、ジャガイモ、ニンジン等を細かくみじん切りにしてバーナーで茹で、野菜が少し柔らかくなった頃に市販の粉末スープとマカロニ等を加えてさらに煮込めば出来上がり。ヨーロッパでは大抵どこのスーパーでも粉末状のスープが売られており、国によって種類が違うのが魅力です。毎回同じ野菜を使っていても、スープの味が違えば飽きることはありません。

外気温が10℃以上のときは、いつも気持ちのよい屋外でクッキングしていました。ヨーロッパのパーキングは公園みたいになっていて、必ずピクニックテーブルが設置されていて便利です。人が多いパーキングでは、開いたクルマのドアの陰などに隠れつつ調理したり。。。(やっぱり目立ってたかなあ?)

旅行中は食欲をなくすのが一番コワイです。放っておくとあるとき突然電池が切れて動けなくなり、気分まで後ろ向きになって「もうダメだ。。。」となったりするので。というわけで、質素な自炊生活ではありますが、いつもちょっと太っているくらいを心がけるようにしています。お陰さまで、ここまで一度も風邪などひかずにやってくる事ができました。感謝!

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2010年10月24日

モンペリエまでのまとめ

冬の気配が漂うスイスをおいとまして、再びフランスに戻って南下を開始しました。途中の山岳風景が素晴らしかったです。紅葉のジュネーブから温暖なモンペリエまでの約500kmの道のりをまとめてみます。

■10/24 ジュネーブ(Genéve)通過~シャンベリー(Chambéry)付近 [約120km]
スイス出発の日の朝、フランクがお嬢さん達と一緒にバイオリンとフルートのプチ演奏会をひらいてくれました!おおお~家族でオーケストラなんて素敵!お別れするのが寂しいです。まだ小さなクリステルとアリスは、突然やってきた日本人の私にもすぐに心を開いて仲良くしてくれました。一緒におもちゃで遊んだ時間は、私にとってどんなに貴重だったか知れません。

素晴らしいおもてなしをしてくれたフランク一家に心からありがとうを言って、デュイリエ(Duilier)の街を去りました。短いけれど濃厚だったスイス滞在に感謝です。レマン湖のほとりをジュネーブに向けてドライブしながら、一緒に過ごした日々を何度も思い返すのでした。

雨のなか、ジュネーブ(Genéve)の中心街を抜けて再びフランスへ。天気はイマイチでしたが、ずっと見事な山岳地帯が続き、紅葉が美しかったです。晴れてたらきっと写真とりまくりで前に進めなかったかも知れません。。。夜になるにつれて雨が強くなり、シャンベリー(Chambéry)付近のパーキングを検索して有料ハイウェイへ。車中泊のためだけにハイウェイ乗るなんて邪道な気もしますが(^^;)、やっぱりハイウェイのパーキングが一番快適に過ごせます。「道の駅」みたいなものですね。

■10/25 ロマン=シュル=イゼール通過~モンテリマール(Montélimar)付近 [約210km]
朝の気温は7℃でしたが、ここのところ冬のフル装備で寝ているのでポカポカです。適当に有料ハイウェイを降りたら料金は3.70Euroでした。うっかり2区間くらい余分に走ってしまったのですが、思った通り安い。だんだん有料道を使うコツが分かってきた気がする。。。

山岳地帯のスイスから、川沿いにあるロマン=シュル=イゼール(Romans-Sur-Isère)まで一気に山道を下ってきたわけですが、この間の風景は実にダイナミックで素晴らしいです。ずっと景色の良いローカル道を使って正解でした。名も無い風景に目を奪われつつ、ワインディングをゆっくり走ってイイ気分。それにしても数日前はジュラ山脈の標高1000mの町に居たというのに、今や標高たった100m。なんか暖かいと思ったら。。。

しかしこの日、旅行始まって以来の物凄い強風がゴオオオ~と吹き荒れて大変でした。モンテリマール(Montélimar)付近で再び有料ハイウェイに乗ってパーキングで車中泊しましたが、一晩中ワゴンRが吹き飛ぶのではないかと思うような嵐でビックリ。ホント、クルマで良かった。。。こんな中でテント泊してたら一瞬でポール折れます。まじで。バイク旅の人は強風に気を付けて!

■10/25 ニーム(Nîmes)通過~モンぺリエ(Montpellier) [約150km]

この日、きっちり1区間で有料ハイウェイを降りたら料金はさらに安くなって2.90Euroでした。ロシアで言うならスタヤンカ泊とほとんど変わらない値段ですが、トイレのクォリティで断然ヨーロッパの勝ち!ああもうこれでフランスはどこでも快適に移動できる気がする。。。と思ったけど、そろそろフランスも残すところあと僅か。orz

モンテリマールからひたすらローカル道を南下して、有名なオランジュ(Orange)やアヴィニョン(Avignon)といった町のそばをスルーします。途中、アーチ型になるよう枝をカットされた不思議な並木道が沢山あって面白かったです。ニーム(Nîmes)周辺を通過する頃には何やらトロピカルな雰囲気が漂ってきて、なんかクルマが暑いと思ったら車内30℃!なにこの温度差!スイスから降りてきたばかりの私にはかなりショッキング。

やがて地中海にほど近いモンペリエ(Montpellier)に到着!ここでキャンプ場にチェックインし、久々にシャワーを浴びてスッキリ♪しかも夜の気温が13℃で今までと比べると暖かく感じます。

■モンペリエのキャンプ場
モンペリエでお世話になったキャンプ場は、通年オープンが嬉しい"Camping le Floréal"。場所はいまいち分かりにくいのですが、GARMINがあれば下記のGPS座標で一発でたどり着けます。乗用車一台の車中泊で、シーズンオフ料金14.22Euro。別に激安という訳でもないし、キャンプ場自体も特にぱっとしないのですが、ここで一番スバラシイのはWiFiが無料で使えること。しかもキャンプ場全体に割と強い電波が来ていてグッド。(WiFiは無料ですが、初回のみHotspotにID登録が必要)

さらに10kmほど東に行ったところに、カルフールの巨大ショッピングセンターがあります(Garminで検索可能)。迷子になるほどデカイ店舗ですので、とりあえずここで手に入らないものはありません。私はここでエンジンオイルを4L買い足しました。モンペリエはいろんな意味で、スペイン入りする前の拠点として悪くないロケーションだと思います。

Camping le Floréal (通年OPEN)
Web: http://www.campinglefloreal.com/
住所: Chemin de la Première écluse, Lattes, 34970
GPS: N43°35.385 E003°54.120

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2010年10月23日

ローザンヌとラヴォーの葡萄畑

スイス滞在2日目。フランクが家族と一緒に観光ドライブに連れて行ってくれました。

まずはアルプス山脈とレマン湖を目前に臨むローザンヌへ。この街のロケーションは抜群です!スイスの雄大な自然を目前に、港町や商店街や歴史建造物が並ぶ光景はここローザンヌならでは。「おお~!スイスに来た~!」と実感できる事間違いなし。

ちょっとこの感動は写真では撮りきれませんが、紹介してみたいと思います。

最初にフランクが連れて行ってくれたのは、ローザンヌで最も有名なゴシック様式の大聖堂(Cathédral de Notre Dame)。

12世紀ごろに建てられたというこの聖堂は、入り口の重厚な装飾を見るだけで「いったい玄関作るのにどんだけ手間かかってるんですか!?」と叫びたくなるようなとんでもない建造物です。中に入ると美しいアーチ型の天井に、丹念に修復された美しいステンドグラスの数々が見られます。

アップダウンの多いローザンヌの中心街は、とても立体的な構造になっています。たとえば道路だと思ったら巨大な橋で、その橋の下にカフェが営業してたり、ありえないような急坂に階段状に建物が立ち並んでいたり。建物のどこが1階でどこが2階かというのは、ここでは難しい質問です。その分丘の上からの街の展望は抜群で、レマン湖とアルプス山脈を一望できます。

次に連れて行って貰ったのが、世界遺産のラヴォーの葡萄畑(La Vaux) (ラヴォーの場所はこちら)。スゴイ!物凄い傾斜地なのに、きちんと石垣が組んであって見事な段々畑になっています。

ブドウ畑もさることながら、歴史ある石垣の美しさも素晴らしい。この地に住む人々が、気の遠くなるような歳月をかけて創り上げた風景なのですね。クルマの窓にへばりついて目をまるくしていた私です。いやー、ここは。。。いつかじっくり時間をかけて散策したい場所かも。

それからラヴォーの中腹にある、とてもお洒落なカフェレストラン"Le Deck"でココアをご馳走に。

オープンテラスは全てデッキ仕上げになっており、エントランスには湖まで続くかと思われるようなフチなしの飾りプールが。。。しかも眼前に世界遺産の葡萄畑が広がっています。何ですかこのゴージャスな空間は!? このカフェを設計した人マジ尊敬です!

ちょうど雲の隙間から暖かな日差しが差し込んできて、なんて素敵な場所なんだろうと夢中で写真を撮っていた私ですが、ふと振り返ってみるとフランク達は陽だまりでのんびり新聞を読んでいます。そうだよね、それが正しいカフェでの過ごし方だよね。せわしない日本人根性にちょっと反省。

正直、何の予備知識もないままでスイス突入したので、一日でこんなに見所満載ツアーになるとは思ってもいませんでした。だいたい初日にアルプス山脈がチラ見出来ただけで感動してお腹一杯になっていたのに、こんなに絶景続きだと感覚狂いますよ?恐るべし、スイス。

まる一日ドライブで案内してくれたフランク一家に心からありがとうなのです。こんな素敵な所に住んでいて羨ましい~!

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2010年10月22日

スイスでフランクとの再会

フランクは世界を駆けるビジネスマンで、ジュネーブ近郊のデュイリエ(Duillier)に住んでいます。

私みたいなプー太郎がどうやってそんなスーツの似合う紳士とお友達になったかというと、ちょうど1年くらい前に北極圏に遊びに行った時、たまたまスイス航空で席が隣になったのがきっかけでした。機内でいろんな話をしているうちに仲良くなり、それ以来メール交換を続けて今回の大陸横断も応援して頂いている次第です。

フランクには、クリステル(10)そしてアリス(8)という2人の可愛いお嬢さんがいて、奥さんのマルゲットと4人家族です。サンセルグ(St.Cergue)で待ち合わせした時、フランクのお嬢さんたちと初対面!そして皆でアルプス山脈とレマン湖が一望できる、とっておきの見晴らしポイントに案内して貰いました。すごい、まさに夢みていた通りのスイスの風景!フランクってこんな素敵な所に住んでたんだ。。。

永世中立国である事で有名なスイスですが、多言語国家でもあり、大きく分けて3つの言語が使われています。北側の地方はドイツ語、南側の地方はイタリア語、そして西側の地方はフランス語、といった具合です。中でもジュネーブはバリバリのフランス語圏です。ただし教育水準は非常に高く、上記の3ヶ国語だけでなく、誰とでも英語が通じるのが素晴らしい!

フランク一家はもちろんフランス語で話していますが、私の滞在中はフランクもマルゲットもずっと流暢な英語で会話してくれていました。家族で普通に英語で会話が成り立つ光景は、すでに北欧やオランダがそうだったので驚きませんでしたが、それにしてもビックリだったのはまだ小学生のお嬢さんたち。学校で英語を習っているという2人は、すでにかなり英会話が達者です。

ちょうど子供達の学校が冬休みに入り、金曜日に会社に休みを貰ったというフランク。全く違和感なくエプロンをしめて台所に立ち、仕事中の奥さんの代わりに家族の夕食の支度をはじめました。はぁ~、ヨーロッパ人男性みんなお料理出来てステキ。。。(うっとり)

夕食のあと、「今晩は、隣の農家で年に1回のレジネ(Raisinée)作りの日だから見に行ってみない?」とお誘いが。えーと、レジネって何だろう。「レジネっていうのは、大きな鍋で果汁を煮て濃縮させたもので、とても美味しいんだよ。まあ、見れば分かるよ」と、連れて行って貰ったのは、隣のお宅の大きな納屋。見ると魔女が使うような巨大な鍋に、ぐつぐつと濃い液体が煮えています。

何でもレジネ作りの開始時には、この鍋いっぱいのリンゴ汁が火にかけられるとか。私が着いたときには既にそれが半分くらいの量にまで濃縮されていました。「これを明日の朝まで一晩ずっと煮続けると、もっと濃くなるんだ。だけど、一晩中かき混ぜないといけないので、毎年レジネ作りの時は徹夜のパーティをして、皆で交代しながらやるんだよ」とのこと。

見ると、夜遅くなのに大勢の人々が集まって、大鍋を囲んで楽しそうに談笑しています。しかも、去年とれたレジネを使ったという美味しいタルトやケーキまでご馳走になってしまいました。何コレ?うっま~!レジネすごいなあ。

フランク達はさすがに子供達がいるので、徹夜で参加というわけには行きません。皆さんにおいとまして早めに帰りました。(実際には、明け方5時くらいにレジネが完成するそうですが、手早く瓶詰めしないと固まってしまうので目が離せないのだそうです。寒い中、結構大変な作業です。。。)


翌朝、フランクと一緒にもういちどその場所に行ってみると、すでに大鍋はすっかり片付けられて跡形もなくなっていました。代わりに、そこの売店で瓶詰めされたばかりのフレッシュな手作りレジネが販売されていたのを、フランクが一瓶お買い上げ。もれなくレジネ菓子のレシピ付きです。おお~、あの汁がこうなるとは。。。

たまたま到着したその日が、年に一度のレジネ作りの日だったなんて、なんともラッキーな話。旅行者として、地元の風物を体験できる事ほど面白いことはありません。こういう展開大好きです♪

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2010年10月21日

ジュネーブまでの道のり

フランスのパリからスイスのジュネーブまでは約600km。アルプス方面へ向けてだんだん標高があがり、一番寒かったのもこのあたりです。最初はお金をケチって有料ハイウェイを避けていましたが、実はハイウェイが驚くほど安かった事に気付き、それ以降は有料ハイウェイとローカル道を積極的に使い分ける事を学習しました。(^_^;)

■10/20 パリ~オーセール(Auxerre)付近 [約210km]
昼頃、パリのしのぶちゃんちを出発!まず一般道のD606を使ってサンス(Sens)方面へ向かいます。朝しのぶちゃんがTVニュースで確認してくれた所によると、大規模ストライキによるガソリン不足の状況はまだまだ続く模様。。。。覚悟していたとおり、途中のカルフール併設GSは思いっきりロープで封鎖されてて給油できませんでした。orz

フランスのローカル道の風景は美しくてGOODなのですが、私としてはガス欠が心配で心からドライブを楽しむ余裕がありません。ダメもとで飛び込んだオーセール(Auxerre)の街のショッピングセンターのGSが開いてた時はホッとしましたが、貼り紙に「給油は一台につき20Lを上限とします」と書いてありました。燃費の良いワゴンRで良かった。。。

それにしても、予想どおりローカル道には全くと言っていいほどトイレ付きの休憩所がありません。そんなわけで仕方なく、ローカル道の路肩のパーキング(トイレなし)で車中泊。夜は相変わらず8℃とかでちょっと寒いです。。。

■10/21 オーセール~ディジョン(Dijon)通過~ドール(Dole) [約210km]
朝起きたら気温O℃でビックリ!周囲の畑にはびっちり霜が降りてて真っ白です。オイ大丈夫かコレ?もしやスイスの峠道とか雪降ったりしてないか?急にローカル道の路面状況が不安になり、命には代えられないと思ってアヴァロン(Avallon)付近から有料ハイウェイ(A6)に乗りました。ハイウェイならジュネーブまで比較的平坦だし、交通量も多いので安心です。

そのままGARMINの指示に従ってA6~A36~A39と有料ハイウェイを使ってディジョン(Dijon)のはるか南側を迂回。さすが高速道だけあって、あっという間にドール(Dole)付近まで着ました。嬉しかったのは、有料ハイウェイに乗ったお陰で立派な休憩所がたくさん利用できたことです。綺麗に手入れされたトイレ付きパーキングにホッとして、思わず昼寝したりして。。。


しかしフランスの有料道っていくらするんだろう?日本だったら東京~大阪(約500km)の高速料金は1万円くらいします。ってことは、パリからジュネーブ(約600km)まで100Euro位するのかなあ?ちょっとそれは死んじゃうなあ。すると、パーキングで出会った英語の出来る親切なおじさんが「料金かい?パリからジュネーブまでは30Euroってとこだね」 え!! そんなに安いの!? (゚o゚)

日本の常識が良い意味で通用しなかった事に安心しつつ、この日はドール(Dole)付近の快適なパーキングにて車中泊。

■10/22 ドール~スイス国境~デュイリエ(Duillier) [約130km]
今回の目的地は正確にいうとジュネーブよりも北側なので、ジュラ山脈を越えるのが一番の近道です。凍結が心配だったのですが「まだまだ凍結なんかしないよ、大丈夫だ」と地元ドライバーに教えて貰ったので、ハイウェイを降りてレルース(Les Rousses)の国境を超えてスイス入りすることにしました。思いっきり山道なんですけど、大丈夫かなあ?

料金が全く分からないままA39の有料道を降りてみると、出口の料金所で請求されたのはたった10.80Euro。ハイウェイ走行距離が200km以下だったのでこんなに安くて済んだみたいです。なるほど、区間ごとの料金が日本より遥かに安く設定してある仕組みなのね。素晴らしい!

一般道(N5)に乗り換えると、いきなり岩山に囲まれた美しい山道が続きます。岩肌を取り囲む木々が黄色く紅葉していて、うっとり見とれてしまうような素敵な山岳ルートです。やがて到着した国境の町レルース(Les Rousses)は、標高880mの高地にありました。目の前に雪をかぶったジュラ山脈が見えてビックリ。

スイス国境にも警察がいて、越境する車両を抜き打ちチェックしたりしてましたが、私のワゴンRは特に止められることもなく簡単に通過させて貰えました。ここから携帯でスイスの友達のフランクにSMS送信して連絡を取り、なんとジュラ山脈の中腹にある標高1000mのサンセルグ(St.Cergue)の町で待ち合わせすることに。フランクに会うのはほぼ一年ぶりです。わくわく。

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2010年10月19日

しのぶちゃんとパリで再会!

ネットの威力おそるべし。本っ当~にすごい偶然なのですが、大学時代の友達のしのぶちゃんが19日に東京からパリに来ることが判明!これは是非会わねば!!ってことでキャンプ場をチェックアウトし、パリ市内の彼女の家までワゴンRでドライブしました。13年ぶりに再会出来る事があまりにも嬉しくて、パリのドライブにビビっていた事も忘れてしまう程だった私。

しのぶちゃんはフランス育ちで、現在はプロのハープ奏者として、東京とパリを拠点に世界で活躍中です。今回もフランスとベルギーでのコンサートのため、パリに来たのでした。それもなんと、尺八とのコラボレーションです!タイトルは「和と洋の融合 ~ Conceert de Shakuhachi et Harpe」おおおお超かっこいい!!

だけど実は学生時代には、しのぶちゃんがハープの達人だったとは全然知らなかった私。。。同じ研究室で建築デザインの勉強をしていた頃から、彼女のアーティスティックなセンスと国際的な雰囲気はバリバリ感じていましたが、まさかそれがこのような形で花開いていたとは。

今回のコンサートで演奏される予定の楽曲(CD)をちょこっと聴かせて貰いましたが、表現豊かなハープの音色にビックリ!これがまた尺八の奏でるメロディーにピッタリ調和していて、すばらしいアレンジです。まさか身近にこんなスゴイ才能の持ち主がいたなんて。。。これは東京に戻ったら、ちゃんとコンサートで本物を聴かないと損だなあ。

ところで本格的なハープというのはピアノに負けないくらい大きいため、コンサートとなると運搬に非常に気を使うそうです。バイオリンやフルートと違って気軽に持ち運ぶことが出来ないため、ハープの生演奏が聴ける機会というのは滅多にありません。そんななか、しのぶちゃんは日本各地でも演奏していますので、もし会場の近くにお住まいでしたら是非お見逃しなく!

それにしても、ずっと同じ東京に住んでいたのに会う機会がなくて、まさかこんな形でパリで再会できるなんて不思議ですねえ。

■パリでオイル追加
パリのしのぶちゃんの家から歩いてすぐのところに、大学の後輩のあっきーさんという若い日本人Webデザイナーが住んでいて、この日は3人でちょっとした日本食パーティに!ごはん、うめぼし、焼き魚etc。。。久々に日本食を味わうことが出来て嬉しかったです。

あっきーさんとは初対面でしたが、彼はなんとフランス在住3年目でフリーランスのWebデザイナーとして活躍中というからスゴイ!いろいろ話を聞いてみると、FLASHをはじめとしてかなり幅広い技術をカバーしているではありませんか。うおー良い人と知り合いになれた。

早速ですが「あのー。。。ワゴンRのエンジンオイルのフタを開けて貰えませんか?」ってことで、あっきーさんにWebデザインとは全然関係のないオイル追加を手伝って貰いました!何しろサンクトペテルブルグで最後にオイル交換してから4,700km近く走ってて、オイル結構減ってたので助かります。これでスペイン南部くらいまでは引っ張れるかな?

しのぶちゃん、あっきーさん、パリで会えて本当に良かったです。帰国したらまた会いましょう!

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