困った事に、スペイン以来原因不明の食欲不振が長引いており、お腹に力が入りません。特に午前中が全然ダメで、ヨーグルトやバナナを食べるのがやっとという感じ。これから先はサハラ砂漠だというのに、こんなヨレヨレの状態で一人で突入したら、どこかで貧血で立ち往生しそうでヤバイなぁとずっと思っていました。
サハラ越えだけでも一緒に行ってくれる旅行者がいないかとずっと探していたのですが、結局ここまで誰にも会わず。うーん、これから無給油区間の距離がどんどん長くなるというのに、これはマズイ。
。。。と思っていたら、タンタン・プラージュの宿に自転車旅行者が一人やってきました。「やあこんにちは。僕の名前はロムロ・ピツィカ。ロムって呼んで。君のことはラバトのモーリタニア大使館で見かけたよ。こんな所で会うとは不思議だね」。。。という彼はベネズエラ生まれのイタリア人で45歳。かれこれ10年くらい世界各国を旅しているベテランのサイクリストでした。
「参ったよ、昨日からずっとひどい向かい風。ちっとも進めない。今晩はここに泊まって、風の様子をみるよ。」「ふうん、そうだったの。自転車だと大変ね。。。」などと他愛もない話をしていたのですが。。。
んん?まてよ、同じ日にモーリタニア大使館に居たという事は、ビザが切れる期限も私と同じ12月18日という事?私はクルマだからいいけど、ロムは期限までに自転車でモーリタニアを抜けられるんだろうか?もしかして彼の方が急ぎなのでは?
「あのう、私ちょっと一人でサハラ越えする自信がないので、一緒に行ってくれる人を探してるんだけど。。。よかったらワゴンRに自転車を積んで、一緒に行かない?」と、思わずお誘いしてみる私。「本当?それは助かるなあ。実はクリスマスまでにマリに行きたいんだ。明日、うまく自転車が積めるかどうかやってみよう」
。。。というわけで、無事にサハラ越え仲間をゲット!しかもイタリア系のロムは料理が大の得意。「え?食欲がない?そりゃダメだよ。旅行は身体が資本だよ。食べなきゃ始まらないよ。とりあえずイタリア風のトマトサラダでもどうだい?」と彼が振舞ってくれたサラダは本当に美味しかったです。よかった、彼と一緒なら食事のペースがコントロールできそう。
はー、なんか知らないけど助かった。これも何かの縁でしょうか。こういう時にベテラン旅行者の男性が一緒だと心強いです。本当にいつも、自分ひとりでどうしようもなくなった時に、必ず誰か助けてくれる人が現れるんだなあ。