朝、ロムの自転車をワゴンRのキャリアに積んで(ぴったりでした)、フランス人マダムにさよならを言って、タンタン・プラージュを出発。マダム情報によると、ここから約80km先の地点に大きなGSがあるとのこと。地図には載ってないGSですが、マダムを信じて行ったら本当に立派なGSがありました!しかも西サハラはガソリンが無税(?)なお陰でモロッコより安い!(6.5DH/L等)
満タンなのをいいことに調子に乗って走っていたら、「君どこまで走るつもり?タルファヤで昼食にしよう、お腹すいたよ」とロム。おお、そうでした。こちらは食欲がイマイチなため、いつストップしていつ食事すべきか全然計画が立てられず「気がついたら電池切れ」という問題がずっと続いていました。ロムと一緒なら、ちゃんと朝・昼・晩と規則正しい食事ができそうです。ありがとう。
タルファヤ(Tarfaya)の街に寄り道した時、英語ペラペラの青年がロムに近づいてきて、いろいろ親切に安食堂へ案内してくれたりしました。だけどこの青年、なぜか怖いことばかり言って我々を引き止めようとするのです。「今モーリタニア行くなんて自殺行為だよ!先日、モーリタニアの幹線道路で拉致されたフランス人2人が銃殺されたばかりだよ。僕ならそんな恐ろしい所絶対に行かないね。今晩どこ泊まるの?ラーユーンの砂漠のキャンプ場?ああ、そこなら経営者変わってすごい値上がりしてるよ。70DHはするんじゃない?僕の家に泊まればタダなのに、どうしてそんな高いキャンプ場に行くの。うちにおいでよ。美味しい料理をご馳走するよ」。。。etc
青年の生々しい話にビビった私はすっかりヤル気消失。私は少々高くてもキャンプ場に泊まるつもりでしたが、自転車のロムは低予算でキャンプ場には興味なさげ。彼はよく地元の村などでタダ泊しているそうなので、いちおう海岸沿いの青年の家とやらを見てみることにしました。ところが行ってみると、タルファヤの街で見かけた目つきの悪い輩が先回りして我々を待ち構えているのを発見!
ロムは顔色を変えて「何で僕らがここに来る事が他の奴に知れてるんだ。こりゃダメだ、逃げよう」
ビビリの私はもうドキドキ。この出来事をどう解釈してよいか分からないままワゴンRを方向転換し、ひたすらラーユーン(Laayoune)方面を目指して走ります。ロムは時々うしろを振り返り、怪しい車が追ってこないかどうか度々確認していました。(大丈夫でした)
■ラーユーン付近のおすすめキャンプ場
私が元々行く予定だったのは、ラーユーン付近(Dawraの集落から4kmほど南)に昔からあるワイルドな砂漠のキャンプ場、Camping Le Roi de Bédouin (ベドウィンの王様)です。ベルギー人夫婦が経営しており、舗装路から逸れて4.5kmほどのピストを走った所にあります。(ピストに砂はなく、ワゴンRでも問題なく走れます)
実は7年前に偶然このキャンプ場を訪れ、この世のものとは思えない風景に感動。付近には小さな滝もあります。何もない砂漠のど真ん中に、ソーラー発電、洋式トイレにホットシャワーまであるというのは驚きです。ただし、ここの水は塩っぽいので、飲み水は持参したほうがベター。大きな天幕の中には居心地よいレストランがあり、冷えたジュースなどが注文できます。もちろん食事も出来ますが価格はちょっと高め。
こんな夢みたいな場所で、キャンプ代は一人いくらかというとたった30DHでした(7年前は25DH)。タルファヤ青年の「70DHに値上げ説」は嘘だったことになります。だけど彼が言った中で本当だったのは、経営者が交代するという事でした。ここは元々ベルギー人のLuc夫妻が長年かけて築いてきた施設ですが、そろそろ経営を退くとのこと。2010年からは、ベルギー人の実業家(これまたLucという名前)が経営を引き継ぐことになります。私が行った時、ちょうど元祖Luc夫妻と新Luc夫妻が居たので、両方にご挨拶することができました。再会できて嬉しかった!
Camping Le Roi de Bédouin
看板の場所:N27°26.435 W13°01.373
キャンプ場: N27°27.698 W013°03.110 (ピスト4.5km)
Web: http://www.camp-bedouin-maroc.com/
※Dawraの集落から4kmほど南の路上にキャンプ場の看板あり。しまったピスト4.5kmを、案内に沿って進む。
★とにかくこのキャンプ場は必見!時間に余裕ある人は岩山までトレッキングも可能。
■モーリタニアの治安は?
ところでタルファヤ青年の言うとおり、モーリタニアで本当にフランス人旅行者2人が誘拐殺害されたのでしょうか?Luc達に聞いてみました。
「はて?モーリタニアで誘拐?毎日ラジオで西アフリカ情報を聞いてるけど、そんな話は無かったな。ここには毎日サハラ越えの旅行者が集まるけど、みんな安全に行き来してるよ。モーリタニア全然心配ないよ」
うーん、あのタルファヤ青年、嘘ばっかじゃん。。。一体何が目的だったのか。。。