ミーハを乗せて少し元気が出てきたので「とりあえず日没まで走ろう」と、夜10時くらいまでひたすら走り続けました。しかし、その日の晩の宿泊をどうするか、全く考えナシ。「私はいつもCafeやGSで車中泊してるんだけど、ミーハは?」と聞くと、「僕はテントを持ってるから森でキャンプだよ」とのこと。
私もいちおうテント等のキャンプ用品は一通り持っています。なのでまあ、ミーハが言うように森でキャンプするのも悪くないかな?しかし、どこでキャンプするのか全然見当もつきません。「僕が言うところで曲がって」と言うので、なにやら林道の入り口のような所で適当に曲がったら、ボッコンボッコンのひどい悪路!「いやあああ~。ワゴンRでこんな所無理だよ~」と泣きが入る私に、「こんな道ロシアじゃ普通だよ。僕が運転するからクルマ貸して」。。。というので、ミーハに運転を代わってもらい、森の奥へ奥へ。。。
「もういいよ~、どうしてこんな奥に行く必要があるの?」「僕らとクルマを守るためだよ。幹線道路から絶対に見えないところまで行かなきゃダメだ。ロシアには悪いやつもいる。狙われたら大変だからね。」うーん、確かに。。。CafeやGSは人がいるので安心ですが、誰もいない山奥で強盗に遭ったら終わりです。ミーハの言うことも一理あると思って、彼の案内に任せることにしました。
クルマを降りると案の定、ブヨとヤブ蚊の大群に襲われます。ミーハは森の中に入って焚き木をたくさん拾い集め、あれよあれよと言う間に火を起こします。そして彼の真っ黒な飯ごうに水を入れて焚き火の中に放り込み、「うん、これでお茶にしよう」と余裕の表情。うひー、医学生だと思って油断していたら、意外とワイルドな奴だった!?
私はとりあえず自分のテントを設営しましたが、ミーハはテントを設営する気配がありません。「あのう、ミーハのテントはどこ?」と聞くと「僕のテントはこれ」と、ピラピラのシートを見せるではありませんか。「ちょっと待って、それはテントじゃなくてシートでしょ」「何を言ってるんだ。ロシアでテントと言ったら雨よけのシートの事さ。君のはテントじゃなくてパラートゥカって言うんだ。」
はあー?何ですとー?こいつマジでタープしか持ってないのかー!?空を見上げると、いまにも雨が降りそうな天気。「あのうミーハ、天気もアレだし、今晩は私のテント使って寝てちょうだい。私はいつもどおりクルマで寝るから大丈夫。」
。。。というわけで結局それ以来、私のテントはミーハ専属のパラートゥカになったのでした。。。
うーん、もしかしたらとんでもない奴を乗せてしまったかも知れない。(-_-;)